「慌ただしい12月こそ火の用心」日本の冬事情から学ぶ火災予防のポイント大全

防災豆知識

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こんにちは!SONAEAREBAです。

12月の日本は、一年の中でも
特に火災リスクが高まる季節です。

乾燥・暖房・大掃除・
年末年始の過ごし方が重なり、
ほんの少しの油断が大きな火事に
つながりやすくなります。​

なぜ「12月は火災に注意」なのか

冬の日本は空気が乾燥し、
物が燃えやすくなっているうえ、
暖房器具やコンセントまわりの使用が
一気に増えます。

総務省消防庁のデータでも、冬場は
火災による死者数が他の季節より多く、
特に1〜2月が突出していることが
示されています。​

12月は、寒さが本格化して暖房を
フル稼働し始める時期でありながら、
クリスマスや年末の忙しさで注意力が
落ちやすいタイミングでもあります。

この「寒さ×乾燥×慌ただしさ」
重なることで、火災リスクが一気に
高まるのです。​

日本の冬と暖房器具の火災リスク

日本の冬の生活には、石油ストーブ、
石油ファンヒーター、電気ストーブ、
こたつ、オイルヒーター、エアコンなど、
さまざまな暖房器具が登場します。

近年は火を使わない電気式の暖房が
増えていますが、それでも電気機器
原因とする建物火災は、こんろ・たばこ
次いで多い出火原因とされています。​

製品評価技術基盤機構(NITE)の
まとめでは、2019〜2023年の5年間で
主な暖房器具の事故が582件報告され、
そのうち石油暖房器具と電気暖房器具が
約8割を占めています。

また、暖房器具の事故は11月から急増し、
12月にピークを迎え、その後4月ごろまで
一定数が続く傾向があります。​

参考リンク:
NITE ホームページ
冬の火災は『ゼロ距離』と
『ほったらかし』に注意!
~電気暖房器具 …

乾燥が招く「燃えやすさ」の正体

冬の乾燥は、「火がつきやすい」
「一度燃え始めると一気に燃え広がる」

という2つのリスクを高めます。

室内の湿度が低いと、カーテン、布団、
衣類、畳、紙類などが少ない火でも
すぐに燃え上がり、気付いたときには天井
まで炎が達しているケースもあります。​

特にエアコン暖房や石油ストーブを
使うと、暖かい風や熱でさらに室内の乾燥
が進み、静電気も発生しやすくなります。

「指先がパチッとするな」と感じたら、
火災リスクも上がっているサインとして、
公的機関も加湿や換気の重要性を
呼びかけています。​

石油ストーブ・ファンヒーターで多い事故

石油ストーブや石油ファンヒーターは、
「日本の冬の定番」といえる暖房ですが、
その一方で火災の原因となる事例も
多く報告されています。

過去5年間に通知された事故のうち、
石油・電気の暖房器具による死亡事故は
計64件、火災に至った事故は458件にの
ぼり、被害の深刻さが指摘されています。

参考リンク:
​NITE ホームページ
「暖房器具の事故」

具体的な原因として多いのは、
以下のようなパターンです。​

  • 前シーズンの灯油をそのまま使い、
    異常燃焼を起こした
  • 給油口のフタの閉め忘れや締め付け
    不足で灯油が漏れ、引火した
  • ストーブの近くに洗濯物やカーテン、
    布団などの可燃物を置き、
    接触して出火した
  • ストーブの吸気口周りにほこりが
    たまり、吹き返し現象でほこりに
    火がついた

経済産業省やNITEは、シーズン初めに
「ほこりの清掃」
「対震自動消火装置の点検」
「新しい灯油の使用」
「給油口の確実な締め」
「周囲の可燃物との距離の確保」

などを重点チェックポイントとして
挙げています。​

こたつ・電気ストーブ・オイルヒーターの落とし穴

日本の冬に欠かせないこたつや
電気ストーブ、オイルヒーターも、
「火を使っていないから安全」
と思い込むのは危険です。

火花が見えなくても、長時間の過熱や
コードの異常発熱などから火災に
つながるケースが増えています。​

損害保険会社の解説によると、建物火災
の出火原因として電気機器は上位に入り、
冬場は特に暖房関連の電気火災が
目立つとされています。

こたつ布団や電気カーペットの上に
座布団や布団を重ねて使ったり、
電気ストーブの前に洗濯物を干したりする
と、局所的な過熱が起こり発火の恐れが
高まると指摘されています。​

エアコン・コンセント周りも危険ゾーン

意外と見落とされがちなのが、
エアコンや延長コードなど
「コンセント周り」のリスクです。

冬場は暖房器具を複数同時に使うことが
多く、タコ足配線や古いコードの使用で
発熱・トラッキング現象が起きやすく
なります。​

参考リンク:
東京電力 ホームページ
トラッキング現象とは?火災が発生する
メカニズムと安全対策について

特に、コンセント周辺にほこりがたまって
いる状態で湿気やスプレーがかかると、
微小な放電から出火するトラッキング現象
が知られており、電気工事事業者や
消防本部も注意喚起を行っています。

「コードが熱くなっていないか」
「コンセント周りにほこりが積もって

いないか、タコ足配線になっていないか」
を、12月のタイミングで一度しっかり
確認しておくことがすすめられています。

大掃除で増える「うっかり火災」

日本の年末といえば「大掃除」。
このタイミングも火災リスクが
高いシーンです。

キッチン周りの油汚れを落とすために
強力な洗剤やアルコール系のスプレーを
使ったり、コンロ付近で可燃性の洗浄剤を
噴霧したりすると、火の気に引火する
おそれがあります。​

また、大掃除の際に家電の位置を
動かした結果、暖房器具とカーテンや
こたつ布団の距離が近くなり、
それに気付かないまま使用して火事に
つながった事例も報告されています。

清掃と同時に「暖房器具の周りに
燃えやすい物がないか」を見直すことが、
年末の重要な火災対策になります。​

年末年始の生活パターンと火災

年末年始は、普段と違う生活リズム・
飲酒・長時間の外出などが重なり、
「火の始末のし忘れ」が増える時期です。

帰省や旅行で家を空けるのに、
こたつやホットカーペット、電気ストーブ
をつけっぱなしにして出てしまうと、
万一の異常発熱が起きた際に
誰も対応できません。​

長期間、家を空ける時にはコンセントを
抜いておくことが安心です。
もしも、外出時に大きな地震が発生し転倒
してもスイッチが入ることはありません。

また、飲酒後のコンロ使用や、
こたつで寝落ちしている間に電気機器が
過熱するといったケースも、保険会社や
消防庁が具体例として挙げています。

「外出前・就寝前・飲酒前に、
暖房器具とコンロのスイッチを
声に出して確認する」


といった小さな習慣が、12月からの冬を
安全に乗り切るうえで重要です。​

12月にやっておきたい火災予防チェック

公的機関や保険会社、
専門機関の情報を整理すると、
「12月のうちにやっておきたい
火災予防アクション」
はおおよそ
次のようにまとめられます。​

  • 暖房器具まわりのほこり掃除
    (ストーブの吸気口、エアコンの
    フィルター、コンセント周りなど)
  • 石油ストーブ・ファンヒーターは
    新しい灯油を使用し、前シーズンの
    灯油は処分する
  • 給油口のフタやタンクの締め付けを
    毎回確認する
  • 洗濯物・カーテン・布団・こたつ布団
    など「燃えやすい物」を暖房器具から
    しっかり離す
  • こたつ・電気カーペット・電気毛布
    は、上に布団や座布団を重ねない
  • タコ足配線や古いコードを見直し、
    コンセント周りのほこりを除去する
  • 外出前・就寝前は「火の元・
    暖房スイッチ・コンセント抜き」

    をルーティン化する

こうしたチェックは、
どれも難しいものではありませんが、
12月のうちに習慣化できれば、1〜2月の
「火災リスクが最も高まる時期」を安全に
乗り切るための大きな備えになります。​

まとめ

「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、
火災も“起きてから”ではなく“起きる前”
どこまで想像できるかがカギになります。

乾燥した空気、フル稼働の暖房器具、
慌ただしい大掃除と年末年始――
この日本特有の冬の風景の裏側にある
リスクを知っておくことが、
いちばんの防災
です。

12月を「火事に気をつける月」として
意識しながら、できることから一つずつ
実行していきましょう。

バックの中に、あるという「安心」を。

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