本記事は広告を含みます
こんにちは、SONAEAREBAです。
今日は「東日本大震災から15年」
という節目に、沈み込み帯で起きる
巨大地震の「断層滑り」に焦点を
当てつつ、南海トラフ地震や千島海溝地震
といったこれからのリスクへと
つなげていきたいと思います。
東日本大震災から15年、「断層が滑る」とは何か
東日本大震災は、
太平洋プレートが日本列島の下に沈み込む
「沈み込み帯」で起きた巨大地震でした。
ここでは海側のプレートが陸側のプレート
の下に潜り込み、その境界が長い時間
くっついたまま歪みをためこみ、
限界を超えた瞬間に一気に「断層が滑る」
ことで大きな揺れと津波を生み出します。
プレート境界の断層は、イメージとしては
「とても大きなすべり台の接合面」です。
普段はガチッとロックされていて動かない
のに、ひとたびロックが外れると、一気に
何十メートルも滑り出してしまうのです。
その「どこが、どれくらい滑るのか」
を理解することが、巨大地震と津波の
大きさを予測する鍵になっています。
滑りやすい1センチ未満の粘土層が巨大津波を生んだ
東日本大震災後、
地球深部探査船「ちきゅう」による
掘削調査で、震源域のプレート境界に
「とても滑りやすい粘土鉱物」を含む
薄い層が広がっていることが
明らかになりました。
この粘土層は厚さ1センチ未満程度しか
ないにもかかわらず、断層の境界に連続
して分布していることがわかっています。
この薄い粘土層に、地震のエネルギーが
集中してしまった結果、断層がごく
小さな力で一気に大きく滑ることが
できたと考えられています。
その結果、海溝軸近くまで
断層滑りが到達し、海底が大きく持ち
上がって巨大津波が発生しました。
従来は「海溝軸付近はエネルギーが
溜まりにくく、大きな滑りは起きにくい」
と考えられてきましたが、この考え方を
覆す結果となりました。
さらに、断層面には約15メートルの
凹凸構造が見つかり、本来なら凸凹が
滑りを止めるはずの場所でも、
それを上回る大きな滑りが発生していた
ことも示されています。
つまり、「滑りやすい薄い層」と
「予想以上の滑り量」が重なったことで、
あのクラスの津波が生まれた、
というのが現在の理解です。
沈み込み帯の巨大地震は世界中で起きている
東日本大震災のような沈み込み帯の巨大
地震は、日本だけの問題ではありません。
南米チリ沖、インドネシア・スマトラ沖、
アリューシャン列島など、世界中の
沈み込み帯で「マグニチュード9級」の
巨大地震が報告されてきました。
これらの事例から見えてきたのは、
「一見おとなしく見える海溝軸付近でも、
条件がそろえば巨大な断層滑りが
起こりうる」ということです。
東北沖の研究でわかった
「滑りやすい粘土層」
「低い摩擦で一気に滑る断層」という
特徴は、他の沈み込み帯でも起きていない
か、世界中で調査が進められています。
この流れのなかで、
日本周辺でも注目されているのが
「南海トラフ」と「日本海溝・千島海溝」
です。
ここからは、東日本大震災の教訓を、
これからの巨大地震リスクへどう結びつけ
て考えるのかを見ていきます。
千島海溝で見えてきた「ひずみ」のたまり方
北海道沖の千島海溝では、
東北大学などの研究グループが
GPS観測装置を用いて2019年から5年間
にわたって地殻変動を調査しました。
その結果、「固着域」と呼ばれる
陸側プレートと海側プレートが
くっついている領域で、
年間およそ8センチの速度で一緒に沈み
込んでいることが明らかになりました。
これはつまり、
「陸側のプレートの先端部分が
海側プレートと一体になって沈み込んで
おり、そのぶん歪みがためこまれている」
ということです。
千島海溝沿いでは
過去に約300〜400年周期で
マグニチュード9クラスの超巨大地震が
発生してきた可能性があり、
前回は17世紀にマグニチュード8.8クラス
の地震が起きたとされています。
仮に17世紀の地震から約400年間、同じ
速度でひずみが蓄積してきたとすると、
「マグニチュード8後半から9程度の
地震を引き起こすエネルギーがすでに
蓄えられている可能性がある」
と指摘されています。
想定される巨大地震が発生した場合、
三陸から北海道の沿岸で震度6強〜7、
津波の高さは25〜30メートル級になると
見積もられています。
東日本大震災の研究で見えてきた
「海溝軸近くまでの大すべり」
「滑りやすい薄い層」
といったメカニズムは、
この千島海溝にも当てはまる可能性が
あり、今後の詳細な調査が
非常に重要になっています。
参考リンク:
大正大学 地域構想研究所ホームページ
日本海溝・千島海溝沿いにも
超巨大地震が起こるのか?
南海トラフでも「どこがどれだけ滑るか」が鍵
一方、東海〜四国沖〜九州沖に伸びる
南海トラフでも、プレート境界での
巨大地震の発生が懸念されています。
東日本大震災後に行われたプレート境界の
掘削や地震・津波シミュレーションの
成果は、南海トラフ地震の想定見直し
にも活用されてきました。
現在の検討では、
- どのセグメントが連動して滑るのか
- 海溝軸付近まで大きな滑りが及ぶのか
- 津波断層の平均すべり量よりさらに
大きな「大すべり域」が
どこにできるのか
といった点が津波の高さや被害想定を
左右する要素として重視されています。
東日本大震災の研究は、
「海溝付近だから安全」
とは言えないことを示し、南海トラフでも
広範囲にわたる断層滑りを想定した
防災計画の必要性を後押ししました。
地震スーパーサイクルという長い周期の視点
さらに、琉球弧などの沈み込み帯では
「地震スーパーサイクル」という、
数千年規模の長い周期で巨大地震が
繰り返される可能性も指摘されています。
断層のどの部分がどれくらいの間隔で
滑るのかを、津波堆積物や地形の変化から
読み解く研究が進められています。
このように「一回の巨大地震」としてだけ
でなく、「長い歴史の中の一コマ」として
断層滑りを捉えることで、
日本海溝・千島海溝・南海トラフ
といったそれぞれの沈み込み帯が、
どのフェーズにあるのかを推定しようと
する試みが続いています。
東日本大震災は、
そのスーパーサイクルの中で
「どんなタイプの滑りが起きうるのか」を
教えてくれたケーススタディと言えます。
これから30年をどう生きるかという視点
千島海溝に関しては
「今後30年以内に北海道沖で
巨大地震が発生する可能性がある」
という調査結果も示されています。
これは南海トラフの
「今後30年で70〜80%」といった
長期評価と同じく、
「100%ではないが、人生スパンで
考えると無視できない確率」
というレベルです。
東北大学の研究者も、
「いつ地震が起きても対応できるように、
被害への備えを充実させることが重要」
とコメントしています。
私自身も、この言葉を
「備えは明日ではなく今日から」という
メッセージとして受け止めています。
断層滑りの最新知見は、防災にどうつながるか
では、こうした断層滑りの最新研究は、
私たちの日常の防災にどう関係する
のでしょうか。
私は、少なくとも次の3つの点で
直接つながっていると考えています。
- どの沿岸が、どれくらいの津波に
襲われうるかの「イメージの解像度」
が上がる。 - 想定外だった
「海溝軸近くの大すべり」まで
含めた、より厳しい想定で計画を
立てられる。 - その結果、
「高台移転」「防潮堤」
「避難路」「避難ビル」
といったハード・ソフト対策の
優先順位が変わる。
東日本大震災の研究から見えてきた、
「1センチに満たない粘土層が
巨大津波を生んだ」という事実は、
「人間が作る想定は、
自然の想定外を常に含み得る」
という教訓でもあります。
だからこそ、ハザードマップの想定津波
高だけを「上限」と見なすのではなく、
「それを少し超えても生き延びる」ための
逃げ方・備え方を考える必要があります。
ここから行動につなげるために
この記事では、
「東日本大震災15年」「沈み込み帯」
「断層滑り」というキーワードを
入り口に、南海トラフ地震・千島海溝地震
といった今後の巨大地震リスクとの関係を
整理してきました。
もしよろしければ、次のような関連記事も
あわせて読んでいただければと思います。
- 南海トラフ地震の最新想定と
「30年以内」の意味とは? - 千島海溝・日本海溝で想定される
津波と避難戦略 - 巨大地震に備えるための
家庭の備蓄チェックリスト - 津波避難の「最初の1分」で何をするか
東日本大震災から15年。
研究者たちは、今も沈み込み帯の深部で
何が起きているのかを追い続けています。
私たちもまた、
その成果を「知識」で終わらせず、
「備え」と「行動」に変えていく
15年目にしていきたいと感じています。
「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション
バックの中に、あるという「安心」を。
通信障害時に役立つワイドFMラジオ付き


















