定説崩壊:マグニチュード9巨大地震は“73年で到来” 『数百年に一度』をくつがえす最新研究と防災戦略

自然災害を考える

本記事は広告を含みます


こんにちは、SONAEAREBAです。

「マグニチュード9クラスの
巨大地震は、数百年に一度」

という言葉を、ニュースや防災資料で
何度も目にしてきました。

ところが最近の研究や
政府評価を追っていくと、
この“常識”は、少なくとも
日本周辺のプレート境界では、
すでに現実と合わなくなりつつある
と感じています。

東日本大震災のM9、
日本海溝・千島海溝で想定されるM9級、
そして南海トラフでもMw9クラス
が想定されている今。

私は、「数百年に一度だから
自分の代では起きない」
という
危険な思い込みを手放し、
「73年スケールでもM9級が次々に襲う」
可能性を前提に、防災を組み立て直す
必要があると強く感じています。


「数百年に一度」は本当に正しいのか

まず、日本周辺で想定されている
M9級の巨大地震を、
ざっくり整理してみます。

海域想定地震規模・特徴主な評価・研究のポイント
南海トラフM8~9級の巨大地震が約100~150年周期で発生とされる。30年以内の発生確率
「80%程度」に引き上げ。
日本海溝東日本大震災(2011年)でM9.0を経験。これを踏まえ、沿岸全域で
M9級を想定して被害想定を
見直し。
千島海溝M8.8以上と評価される
巨大地震が想定。
発生間隔は100~800年と
ばらつくが、17世紀から
約400年経過し切迫性が指摘。

内閣府の中央防災会議は、
日本海溝・千島海溝沿いで
M9級巨大地震が起きた場合、
「最悪死者19万9000人、
経済被害31兆円以上」

という被害想定を公表しています。

一方、千島海溝について
気象庁地震調査研究推進本部は、
M8.8程度以上の「超巨大地震」
100~800年という幅の大きい周期で
繰り返されている可能性を示しつつ、
「既に400年程度経過しており、
切迫している」
と評価しています。

参考リンク:
地震調査研究推進本部ホームページ
千島海溝沿いの地震活動の長期評価

ここで重要なのは、
「数百年に一度だから安全」ではなく、
「数百年という幅の中で、たまたま
今が“たまっている側”かもしれない」

という視点です。

さらに、南海トラフではM8~9級、
東日本大震災はM9、日本海溝・千島海溝
でもM9級が並行して想定されることで、
「地球スケールでは数百年に一度でも、
日本周辺だけにしぼってみると、

人生スパンで何度も直撃しうる」
というリアリティが浮かび上がります。


南海トラフ:M9級が「80%」で迫る現実

南海トラフ巨大地震は、
静岡県の駿河湾から九州東岸沖の
日向灘にかけて延びる海溝沿いで
発生するM8~9級の地震です。

西暦684年以降、
少なくとも9回発生しており、
その発生間隔はおおむね100~150年
とされています。

政府の地震調査委員会は、
南海トラフ巨大地震の
「今後30年以内の発生確率」を、
従来の「70~80%」から「80%程度」
に引き上げました。

これを日常の感覚に置き換えると、
「自分の人生の残り30年で、
10回くじを引いて8回は当たる」

ようなものです。

確率論の話ではありますが、
「来るか来ないか」ではなく、
「いつ来てもおかしくない」
ステージに入っていると考えるべき
段階だと感じます。

また、地質調査の研究では、
宝永地震クラスの大地震
(Mw9級相当の津波地震と考えられる)
が約300~600年間隔で繰り返している
ことが示されました。

一方で、見落としの少ない
1361年以降の記録だけを見ると、
南海トラフ地震の発生間隔は
約90~150年であり、
「最短では約90年で再来した」
ケースもあるとされています。

「数百年に一度」というより、
「100~150年ごとにM8~9級が
繰り返し、うち数回に一度が
宝永クラスのM9相当級」
という方が、
現実に近いイメージに感じられます。

前回の「昭和南海地震」からは
すでに約80年が経過しており、
私たちは次のサイクルの入口にいるのだと
覚悟する必要があります。

参考リンク:
地震調査研究推進本部ホームページ
海溝型地震の長期評価


日本海溝・千島海溝:M9級が連鎖しうる時代

2011年の東北地方太平洋沖地震
(東日本大震災)は、日本観測史上
初のM9.0という巨大地震でした。

この出来事が、
「日本海溝や千島海溝沿いで
M9級は想定外だった」
という前提を、
完全に書き換えました。

その後、内閣府や中央防災会議は、
日本海溝・千島海溝沿いでM9級の
巨大地震が発生した場合の津波高や
被害を再評価し、
「最悪19万9000人死亡、
経済被害31兆円以上」
という、
東日本大震災級あるいはそれ以上の
被害シナリオを公表しています。

千島海溝については、堆積物調査から
M8.8以上の巨大地震が100~800年
幅のある間隔で発生していると推定され、
17世紀に発生したと考えられる地震から
すでに約400年が経過していることから、
「切迫性が高い」と評価されています。

さらに、東北大学などの研究グループは
千島海溝・根室沖の海底に観測点を設置し
て調査を行い、プレート境界に「ひずみ」
が蓄積していることを示しました。

政府の地震調査委員会も、
千島海溝沿いで今後30年以内に
巨大地震が起きる可能性を
「7%~40%」と評価しており、
ここでも「0ではないどころか、
無視できない水準」
でリスクが
存在していることが分かります。

南海トラフ、日本海溝、千島海溝。

これらのプレート境界はそれぞれ
独立した系ですが、日本列島から見れば
「太平洋側をぐるりと囲む
巨大地震ポテンシャルのリング」
です。

M9級クラスの地震が
“数百年に一度”ではなく、
「数十年~百数十年のスパンで、
別のエリアから次々にやって来る」

イメージを持った方が、現実に即した
備え方につながると私は考えています。

参考リンク:
東北大学ホームページ
千島海溝沿いでの「ひずみ」蓄積を
海底観測で確認


「73年で到来」という感覚に変える

ここで、「73年」という
キーワードをあえて使ってみます。

仮に、あなたが0歳から73歳まで
生きるとして、その間に起こりうる
M9級クラスの巨大地震を並べてみると、
こうしたシナリオも想像できます。

  • 東日本大震災のような日本海溝M9級
    すでに経験済み(2011年)。
  • 今後30年以内に、南海トラフ
    M8~9級が「80%程度」の確率で
    起こると評価されている。​
  • 同じく今後30年で、千島海溝
    M8~9級の可能性が7~40%とされ、
    切迫性も指摘されている

もちろん、これはあくまで「30年以内」
確率評価をベースにした思考実験であり、
実際に73年の間に必ず3回起きるという
意味ではありません


ですが、「M9級は数百年に一度だから、
人生で遭遇することはほぼない」

という感覚と、
「人生73年の間に、どこかのプレート境界
で複数回起きてもおかしくない」

という感覚では、防災行動の優先度が
まったく変わってくるはずです。

私は、SONAEAREBAの立場から、この
「体感スケールのアップデート」が、
これからの社会にとって非常に重要だと
感じています。

「数百年に一度」というラベルを
そのまま受け取るのではなく、
「自分の人生スパンに落とし込んでみる」
と、巨大地震が、ずっと自分ごととして
見えてくるからです。


今、私たちが変えられる3つのこと

最後に、「定説崩壊」の時代に、私たち
一人ひとりが何を変えればいいのか。

私は、次の3つを
強く提案したいと思います。

「想定外」を前提にしない

  • 南海トラフはM9級、
    日本海溝・千島海溝もM9級を
    想定した公式の被害想定が
    すでに存在しています。
  • 「想定されていないから大丈夫」
    ではなく、
    「すでに想定されているリスクに、
    自分の生活をどう適合させるか」

    を考えることが重要です。

行政や研究機関が出している
長期評価や被害想定を、
「怖いから見ない」のではなく、
「生活設計に組み込むための前提条件」
として使っていく視点が求められます。

家庭と職場のBCP(事業継続計画)を“本気”でつくる

  • 自宅だけでなく、職場・学校など
    「日中過ごす場所」で被災する
    可能性が高い以上、家庭と職場の
    両方で「止まらない仕組み」
    考える必要があります。
  • 具体的には、最低3日
    できれば1週間以上の水・食料、
    モバイルバッテリー、トイレ、薬、
    衛生用品などの備蓄を、
    在宅勤務の有無や家族構成に
    合わせてカスタマイズしておくことが
    重要です。

巨大地震が起これば、電力・物流・通信
同時多発的にダメージを受けます。

その時、誰かが助けてくれるはずだと
「会社がなんとかしてくれる」
「行政が支援してくれる」

と他人に期待するだけではなく、
個人と企業がそれぞれBCPを持ち寄って、
社会全体のレジリエンスを底上げして
自分ゴトにしていくことが欠かせません。

「備え」を日常の文化にする

  • 非常持ち出し袋や備蓄は、
    「年に1回見直すイベント」ではなく、
    「日常の買い物や暮らしの工夫の延長」
    として根付かせたいとフェーズフリー
    防災という考え方が大切です。
  • 例えば、普段からローリングストック
    で食材を回し、在宅避難を前提に
    家具固定や耐震補強を進め、家族で
    「どこに集合するか」
    「連絡が取れないときどうするか」

    を決めておくことなどです。

M9級という言葉だけが一人歩きすると、
「どうせ来たら終わりだ」
諦めの空気が広がってしまいがちです。

しかし、東日本大震災でも、
事前の津波避難訓練や地域の防災活動に
よって、多くの命が守られた事実が
あります。

さらに、年配者の方から子供たちに
「揺れたら、山に向かって逃げること」
と伝承していたことで助かった事例も。

「定説崩壊」の時代だからこそ、
「どうせ無理」ではなく、
「どうせ来るなら、
少しでもマシな未来に変えてやろう」

という前向きな諦めに、社会全体で
シフトしていきたいと感じています。


私たちは今、「M9級は数百年に一度」
という安心材料を手放し、
「南海トラフ・日本海溝・千島海溝が
人生スパンで重なるかもしれない」
という
現実と向き合うタイミングに来ています。

それは怖い話ですが、裏を返せば、
「自分の行動で未来を変えられる
チャンスが、今この瞬間にある」

ということでもあります。

この記事が、あなたの中の「定説」
一つ書き換え、今日からの防災行動の
一歩につながればうれしいです。



「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション

バックの中に、あるという「安心」を。

通信障害時に役立つワイドFMラジオ付き