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こんにちは、SONAEAREBAです。
今回は「政府『公式』地震予測の転換期
高度化のカギは地殻変動データ」という、
まさに今アップデートされつつある
最新テーマを、みなさんにわかりやすく
整理していきます。
なぜ「政府公式の地震予測」が今、大きく変わろうとしているのか
まず押さえたいのは、
「政府公式の地震予測」とは、
地震調査研究推進本部(地震本部)
が公表している「長期評価」のこと
だという点です。
長期評価は、
「今後30年以内に、どこで、
どのくらいの規模の地震が、
どのくらいの確率で起こりうるか」
を数字で示した、
いわば日本の地震リスクマップの
公式バージョンです。
これまでは、
主に次のような考え方が基本でした。
- 「同じ場所では、似たような地震が、
ほぼ一定の間隔で繰り返し起きる」
という仮定 - 歴史記録や地質調査でわかった
「過去の地震の履歴」をもとに、
統計的に発生確率を計算する手法
つまり、
「過去こうだったから、
未来もだいたいこうなるだろう」
という、過去データ重視のフレームです。
しかし、これは裏を返せば
「過去の大きな地震の記録が乏しい地域」
「明確な活断層が見つかっていない地域」
では、リスクを十分に評価しきれない
という弱点も抱えていました。
私も防災情報を発信していると、
「活断層がないって聞いたから、
この地域は安全なんですよね?」
という声をよく目にしますが、まさに
そこが今回の転換期のポイントです。
参考リンク:
地震調査研究推進本部 ホームページ
カギを握る「地殻変動データ」とは何か
ここで登場するのが
「地殻変動データ」です。
地殻変動とは、地球の表面(地殻)が、
プレート運動や地震の影響などで、
じわじわと、あるいはガクッと
動いていく現象のことです。
日本では、国土地理院の
GNSS連続観測網(GEONET)を中心に、
全国に設置された観測点が、
毎日ミリ単位の動きを追い続けています。
その結果、例えば2025年12月に
青森県東方沖で発生した地震(M7.5)
の影響による「余効変動」が、
2026年に入っても青森周辺で
続いていることが観測されるなど、
「大地がどの方向へ、
どれくらいのスピードで変形しているか」
かなり精密に見える時代になりました。
この「地面の動きの履歴」こそが、
エネルギーのたまり方・
解放のされ方を推定するための、
重要な手がかりになっています。
従来の「過去の大地震の履歴」
だけでなく、
「今まさに進行している変形そのもの」
を使って、将来の地震発生確率を
評価する方向に、政府の地震予測が
舵を切り始めているのです。
新しい評価手法:地殻変動データから「発生確率」を導き出す流れ
京都大学防災研究所の西村卓也教授らの
グループは、地殻変動データを使って、
明確な活断層が見つかっていない地域も
含めて、地震発生確率を評価する手法を
開発しています。
流れを、できるだけ日常的なイメージで
整理すると次のようになります。
- 地殻変動データから
「大地の変形速度」を計算する- プレートの押し合い・引っ張り合い
によって、どの方向に、どれくらい
のスピードで地面が変形しているか
を数値化します。
- プレートの押し合い・引っ張り合い
- その地域で「1年間に蓄積する
エネルギー総量」を推定する- たとえるなら、ゴム板をゆっくり
引き延ばしていくイメージで、
「どのくらい力がたまっているか」
を数字にします。
- たとえるなら、ゴム板をゆっくり
- 「エネルギー量」と
「大小さまざまな地震が起こる割合」
の統計式を使って、
地震の発生回数に換算- 一定のエネルギーが蓄積された
とき、マグニチュードいくつ規模の
地震が、どのくらいの割合で起こる
のかを、統計的な関係式で
モデル化します。
- 一定のエネルギーが蓄積された
- 最後に「発生回数」を「発生確率」
に変換する- 「今後30年以内に、
M6以上の地震が起きる確率」
のような形に落とし込み、
長期評価に反映させていきます。
- 「今後30年以内に、
重要なのは、この手法によって
「活断層が地図に描かれていないから、
詳しい評価が難しい」
とされてきた地域でも、地殻変動の
様子からエネルギー蓄積を推定し、
地震発生確率を評価できるように
なりつつあるという点です。
参考リンク:
京都大学防災研究所ホームページ
具体例:九州南部で“予測値”がどう変わったか
地殻変動データを使うことで、
実際に数値が大きく変わった地域も
報告されています。
九州南部では、
「今後30年以内にマグニチュード6以上
の地震が起きる確率」について、
従来の活断層ベースの評価では
8%だったのが、地殻変動データを活用
すると17.3%になると紹介されています。
数字だけ見ると「2倍以上」にリスク評価
が引き上がったように見えますが、
ここで大事なのは、「突然危険になった」
のではなく、「本来潜んでいたリスクを、
ようやく見える化できるようになった」
と捉えることです。
心理学的には、
こうした“数字のジャンプ”は
不安を強く刺激しがちですが、
実際は「評価の精度が上がった結果」
であり、むしろ防災対策の優先順位を
現実に近い形で見直せるようになる、
という前向きな意味合いもあります。
私自身も、数字が大きく変わった
地域こそ、冷静に「何が変わったのか」
を読み解く必要があると感じています。
- 観測技術が良くなったのか
- 評価モデルが改善されたのか
- それとも、新たな地震活動が
観測されたのか
今回のケースでは、
「地殻変動データを組み込んだ、
新しい評価のステージに進んだ結果」
と考えるのがポイントです。
「予知」ではなく「長期リスク評価」であることを、どう伝えるか
メディアやSNSでは、
「的中率90%」
「1カ月以内にどこで大地震」
といった、根拠が不明瞭な“地震予知”
情報があふれています。
一方で、
政府の「長期評価」は、あくまでも
「今後30年でどの程度の確率か」と
いった、長いスパンでのリスク評価です。
ここを押さえないまま、
「政府の公式予測が高度化した」
とだけ聞くと、
「じゃあ、明日来る地震も
わかるようになるの?」と、
過剰な期待と誤解につながりがちです。
心理学的に言えば、
人は「不確実さが嫌い」なので、
「予測」「確率」と聞くと、
つい「当たる・当たらない」の
二択で理解しようとしてしまいます。
だからこそ、私は防災ライターとして、
次のようなメッセージを意識して
発信したいと考えています。
- 政府の地震予測(長期評価)は、
「明日どこで起きるか」を
当てる予知ではない - 「どの地域で、大きな地震リスクが、
どの程度存在しているか」を
相対的に比較できる“地震リスク地図”
に近いもの - 地殻変動データの導入は、
「見落としていたかもしれない
潜在リスク」をあぶり出すための
高度化であり、過度な安心・
過度な不安を避けるための
アップデートでもある
この視点を押さえておくと、ニュースで
「発生確率が○%から○%になった」
という話題が出たときも、
感情的に振り回されすぎず、
「じゃあ、この地域では
どんな備えを見直そうか」
と行動ベースで考えやすくなります。
私たちの行動は何が変わる?「数字」をどう防災に活かすか
では、読者であるあなたの行動は、
何か大きく変えなければいけないの
でしょうか。
私の答えは、
「やみくもに怖がる必要はないが、
『自分の地域の最新リスク』を知り、
備えの優先度を調整することが大事」
です。
活かし方の例を、いくつか挙げます。
- 地震本部が公表している長期評価や、
自治体のハザードマップを
定期的にチェックする。 - 「活断層がないから安全」といった
古いイメージを一度リセットし、
「地殻変動を含む新しい評価では
どうなっているか」に目を向ける。 - 持ち家・引っ越し・職場選びなどの
ライフイベントに際して、
「長期評価の数字」を一つの判断材料
として取り入れる。 - 「30年で30%」のような数字を
見たとき、それを
「3日に1回のガチャ」ではなく、
「一生のどこかで起こりうるイベント」
くらいのスケール感で捉え、家具固定
や非常食・水、トイレ対策など、
人生設計レベルの備えに落とし込む。
これからの防災情報発信では、
『当たる予知』ではなく、
「公式データをベースにした、
生活に直結する意思決定のサポート」が、
ますます重要になっていきます。
地殻変動データを活用した
新しい長期評価は、そのための
“信頼できるベースライン”を作る取り組み
だと、私は捉えています。
参考リンク:
地震調査研究推進本部 長期評価
ハザードマップポータルサイト
まとめではなく、これからの問い
政府の「公式」地震予測は、
地殻変動データの導入によって、
まさに転換期を迎えています。
過去の地震履歴だけでは
見えなかったリスクを、
今動いている大地のデータから補い、
より現実に近い形で「どこに、
どれくらいのリスクがあるのか」
を描き出そうとしているのです。
その一方で、
「予知と誤解されない伝え方」
「不安をあおらず、行動につなげる
コミュニケーション」が、
私たち発信者側に強く求められています。
この記事を通じて、
「数字の変化に振り回される側」から、
「公式データを読み解き、
主体的に備えをアップデートしていく側」
へシフトしていただけたらうれしいです。
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