こんにちは!SONAEAREBAです。
4月27日午後5時。
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」
の呼びかけ期間が終了しました。
2度目の発表となった
後発地震注意情報の期間終了を受け、
政府は「すぐに逃げられる態勢の維持
など特別な備えは求めない」としました。
しかし「今後も大規模地震が起きる
可能性はある」として内閣府の担当者は
日頃からの備えを呼びかけました。
参考:NHKニュース
「後発地震注意情報終
専門家”地震活動活発 備え継続を”」
https://news.web.nhk/newsweb/
na/na-k10015109281000
そして、この期間中に行われた
東京大学大学院の調査が、
衝撃的な結果を示しています。
2度目の後発地震注意情報について
東京大学大学院の研究チームが調査を
したところ、認知度は上がったものの
「万が一」に備えた行動変容には
課題が残りました。
参考:NHK「2度目の後発地震注意情報
防災行動取る人が減少 専門家調査」
https://news.web.nhk/shutoken/
articles/101/031/99/
つまり「知っている人は増えたのに、
動いた人は減った」のです。
なぜそんなことが起きるのか。
今日は、その「怖い心理のメカニズム」
を解説します。
1度目と2度目で、何が変わったか
まず、
2つの後発地震注意情報を振り返ります。
1度目(2025年12月8日)
青森県東方沖M7.5を受けて発表。
制度開始から3年目で初めての発令。
多くの人が「初めて聞く情報」として
真剣に受け止めました。
参考:気象庁「北海道・三陸沖後発地震
注意情報について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou
/know/jishin/nceq/info_guide.html
2度目(2026年4月20日)
三陸沖M7.7を受けて発表。
わずか4ヶ月後、
同じ海域での2度目の発令。
茨城県と千葉県では呼びかけの対象地域
だと正しく認識していた人の割合が
3割余りと、前回と同様ほかの地域より
低い傾向にとどまりました。
参考:NHK「北海道・三陸沖後発地震
注意情報の認知度 茨城や千葉では?」
https://news.web.nhk/
shutoken/articles/101/031/99/
首都圏でも認識が低い。
そして行動した人は1度目より減った。
これは偶然ではありません。
人間の脳が持つ「バイアス」が原因です。
「前回大丈夫だったから」という罠
心理学に
「利用可能性ヒューリスティック」
という概念があります。
難しい言葉ですが、意味はシンプルです。
「記憶の中で思い出しやすい情報に、
判断が引っ張られる」
東北大学の研究資料には、
こう書かれています。
「前回、警報が出たけれど
大丈夫だったから…」
という思考パターンが、
次の危機への対応を遅らせます。
これを「利用可能性ヒューリスティック」
と呼び、記憶の中で思い出しやすい情報に
影響される認知バイアスです。
参考:総務省「災害時の心理と行動」
東北大学・邑本俊亮
https://www.soumu.go.jp/
main_content/000356253.pdf
1度目の注意情報が出た。
何も起きなかった。
「また出た。でも前回も大丈夫だったし」
この思考パターンが、
2度目の行動を減らしたのです。
3つの「危険な心理バイアス」
「前回大丈夫だったから」
以外にも、防災行動を妨げる
心理バイアスがあります。
今日は3つ整理します。
バイアス① 正常性バイアス
正常性バイアスとは、
自分にとって都合の悪い情報を無視したり
過小評価したりしてしまう人の特性です。
人間には危機を察知する能力が
備わっていますが、この特性によって
適切な判断ができず、結果として災害に
巻き込まれることがあります。
参考:空飛ぶ捜索医療団ARROWS
「正常性バイアスが災害時に
与える影響は?」
https://arrows.peace-winds.org/journal/12423/
「このくらいは普通だ」
「自分の地域は大丈夫だ」。
情報が耳に入っても、
脳が「異常ではない」と判断してしまう。
これが「注意情報が出ても動けない」
最大の原因です。
バイアス② 同調性バイアス
「周りが動いていないから、
自分も動かなくていい」という心理です。
周りの乗客の言動・
行動に特段の変化は見られなかったので、
移動せずその場にとどまった——
というのが同調性バイアスが
かかっている状態です。
周囲の人間の行動に同調し、
自分の行動を決める傾向があります。
SNSを開いても誰も避難していない。
会社でも話題になっていない。
「みんなが動いていないから大丈夫」。
この同調性バイアスが、
集団的な無行動を生み出します。
バイアス③ 比較楽観主義バイアス
「自分だけは大丈夫」
「まさか自分の住むところが
被害にあうとは思わなかった」
という思考パターンを
「比較楽観主義バイアス」と呼びます。
他人よりも自分のほうが運が良いと
無意識に思い込む心理です。
「東北の話でしょ。うちは内陸だから」
「マンションだから大丈夫」
「若いから逃げられる」
これらはすべて、比較楽観主義バイアスが
働いている状態です。
「慣れ」は命を奪う
防災心理学の研究では、
「行動を抑制する心理バイアスとて、
“自分は大丈夫””慣れてしまった”という
正常性バイアスやフリーズ状態」
が指摘されています。
いざという時に備えるメンタル準備が
重要とされています。
「慣れ」は一見、
落ち着いているように見えます。
でも防災の文脈では、
「慣れ」は油断と同義です。
歴史を振り返ると、
「慣れ」が命取りになった事例が
繰り返されています。
1896年の明治三陸地震。
「三陸の人々は過去の津波を知っていた」
と言われます。
でも実際には多くの人が逃げ遅れて、
死者22,000人超の大惨事になりました。
「知っていた」でも「慣れていた」
から、動けなかった。
「注意情報が終わった」のにリスクは終わっていない
専門家は
「三陸沖などでは依然として地震活動は
活発で、リスクがなくなったのではない」
と指摘しています。
参考:NHKニュース
「後発地震注意の1週間終了
専門家が懸念する今後のシナリオ」
https://news.web.nhk/newsweb/
na/na-k10015109191000
注意情報から約1ヶ月。
でも地震は終わっていません。
実際に、注意情報終了後も
東北では揺れが続いています。
・5月5日:三陸沖 M5.2・震度3
・5月14日:岩手県内陸北部 M5.0・震度4
・5月15日:宮城県沖 M6.4・震度5弱
参考:tenki.jp「過去の地震情報」
https://earthquake.tenki.jp/
bousai/earthquake/entries/
注意情報が終わった翌週に、
M6.4が来ました。
「終わったから安心」という発想が、
いかに危険かわかります。
内閣府の担当者は
「日頃からの地震への備えが最も重要」
と強調しています。
参考:内閣府「北海道・三陸沖後発地震
注意情報について」
https://www.bousai.go.jp/pdf/260420.pdf
バイアスに打ち勝った人たちの話
心理バイアスは怖いものです。
でも、打ち勝てた事例もあります。
2011年の東日本大震災。
岩手県釜石市の釜石東中学校の
生徒たちは、地震発生直後すぐさま
校舎を飛び出して高台に避難しました。
近隣小学校の生徒・教師は
最初校舎の3階に避難しようとしていま
したが、避難する中学生の姿を見て、自分
たちも高台に避難することにしたのです。
目指す高台に到着したあとも、
崖の状態などからさらに上の高台へ
避難しました。
ちょうど高台へ避難したとき、
さっきまでそこにいた校舎、
そして生活していた街は、
巨大な津波に飲み込まれていました。
中学生たちは、なぜ動けたのか。
それは
「事前に避難の訓練と教育を受けていた」
からです。
「知っている」
だけでは動けません。
「体に染み込んでいる」
から動けるのです。
バイアスに打ち勝つ「4つの方法」
方法① 「自分ごと化」する
防災心理学の研究では
「危険・被害予想を自分ごと化するため
に、地域・世帯別のデータや事例を
共有することが重要」とされています。
情報が自宅・自分に即していると、
行動意図が高まります。
今日すぐできること:
・ハザードマップで
自宅のリスクを確認する
・避難場所まで実際に歩いてみる
・家族で「逃げるタイミング」を決める
👉 国土交通省
ハザードマップポータルサイト(公式)
https://disaportal.gsi.go.jp/
方法② 「ルール化」して考えないようにする
バイアスは「その場で判断しようとする」
から生まれます。
「揺れを感じたら考えずにこう動く」
というルールを事前に決めておくことで、
バイアスを回避できます。
今日決めてほしいルール:
・「震度4以上を感じたら
→まず机の下」
・「かなり強い揺れを感じたら
→避難指示を待たずに高台へ」
・「停電が2時間続いたら
→ポータブル電源を出す」
「考えなくても体が動く」
状態を作ることが、バイアスへの
最大の対策です。
方法③ 「誰かと一緒に動く」環境を作る
同調性バイアスは、逆に使えます。
「周りが動いていないから動かない」
ではなく、
「周りが動き出す環境を自分が作る」
のです。
今日できること:
・家族・友人とこの記事をシェアする
・職場で防災の話題を出す
・SNSで「備えた」と投稿する
誰か一人が動き出すと、
周りも動き始めます。
それが同調性バイアスの
プラスの使い方です。
方法④ 「備えを日常に組み込む」
「いざというとき備える」ではなく、
「日常の中に備えを溶け込ませる」こと。
これがSONAEAREBAが一貫して伝えてき
た「フェーズフリー」の考え方です。
非常食をローリングストックで
普段の食事に使う。
ヘッドライトをキャンプにも使う。
モバイルバッテリーを
毎日充電する習慣をつける。
「防災のために特別に動く」ではなく、
「いつもの行動が防災になっている」状態
を作ることで、バイアスに関係なく
備えが積み上がります。
今日のチェックリスト
□ ハザードマップで自宅のリスクを
確認した https://disaportal.gsi.go.jp/
□ 「揺れを感じたら即動く」
ルールを家族で決めた
□ 在宅避難の備え
(水・食料・トイレ・電気)が揃っている
□ この記事を家族・友人にシェアした
1つでもチェックできれば、
今日のあなたは
「バイアスに打ち勝った人」です。
SONAEAREBAからのメッセージ
「また出た。でも前回も大丈夫だったし」
この一言が、どれほど危険な思考か
わかってもらえたでしょうか。
注意情報は終わりました。
でも地震は終わっていません。
「ゆっくりすべり」はまだ加速中です。
宮城沖ではM6.4が来ました。
「慣れ」と「バイアス」は、
誰にでも起きます。
私も、あなたも。
でも「知っている人」は、
バイアスに気づいて打ち勝てます。
知ることが、最初の備えです。
SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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「気づき」になるかもしれません。





























