今日は130年前、22,000人が津波で亡くなった日。三陸沖が今また動いている。歴史は繰り返すのか。

防災豆知識
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こんにちは!SONAEAREBAです。

今日2026年6月15日は、特別な日です。


1896年(明治29年)6月15日午後7時32分。
岩手県釜石市の東方沖200kmの三陸沖を震源として、
M8.2〜8.5の巨大地震が発生しました。

出典:Wikipedia「明治三陸地震」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%B2%
BB%E4%B8%89%E9%99%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87


今日は、あの「明治三陸地震津波」から
ちょうど130年の日です。


明治三陸地震では、地震発生から約30分後に
大津波が三陸沿岸を襲いました。

岩手県気仙郡綾里村では遡上高38m以上を記録。
死者約22,000人、流出・全半壊家屋10,000棟以上とい
う、日本の津波災害史上最大の被害をもたらしました。

出典:国立公文書館「災害に学ぶ—明治から現代へ—」
https://www.archives.go.jp/exhibition/digital/
saigai/contents/04_100.html


22,000人。

130年前の今日この日に、
三陸の海岸で命を落とした人々の数です。


そして今年2026年。

同じ三陸沖でM7.7の地震が起き、
スロースリップが加速しています。


歴史は繰り返すのか。

今日という日に、
私たちが知っておくべきことをお伝えします。


あの夜、何が起きたのか


明治29年6月15日は端午の節句。

前年の日清戦争の勝利を祝い、
三陸の村々では凱旋兵とともに
祝いの宴が開かれていました。

午後7時32分頃、人々は地震の揺れを感じましたが、
現在の震度にして1〜3程度の小さなものでした。

緩やかな長く続く揺れでしたが、
人々はいつものこととさして気に留めることは
ありませんでした。

出典:内閣府「過去の災害に学ぶ」広報ぼうさい第28号 https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/
kyoukunnokeishou/rep/1896_meiji_sanriku_
jishintsunami/pdf/kouhou028_18-19.pdf


地震から約18分後に海水が引き始め、
20時7分に遠雷のようなごう音とともに
大津波が来襲しました。

第2波が最大の波で、
宮古では満潮時とも重なりました。

一家揃ってお祝いをしていた家庭が多く、
海の方から聞こえてくる大砲にも似た音を聞き、
驚いて外に出た人々が見たのは、
水しぶきをあげながら迫ってくる
巨大な波の壁でした。

出典:宮古市災害資料アーカイブ「明治三陸地震津波」
https://miyakoarchive.irides.tohoku.ac.jp/nenpyo/
jishin_tsunami/meiji_sanriku/


お祝いの席で、笑い声の中で、
突然すべてが奪われた。

揺れが小さかったから、誰も逃げなかった。


これが130年前の三陸で起きたことです。


「津波地震」という最も危険なパターン


地震の規模の割に非常に大きな津波を
引き起こす地震を「津波地震」と呼びますが、
明治三陸地震津波はこの「津波地震」でした。

揺れが小さいにもかかわらず、
大きな津波が来襲するという特性があります。


「津波地震」とは——

・プレート境界の浅い部分がゆっくりとズレる

・揺れのエネルギーは小さいが、海底の変動は大きい

・その結果「揺れは小さいのに大きな津波」が発生する


これは現代の緊急地震速報とも大きく関係します。

揺れが小さければ速報が出ません。

でも津波は来ます。


明治三陸地震は「揺れを感じなくても津波は来る」
という最も重要な教訓を、
22,000人の命と引き換えに残しました。


田老の悲劇と「万里の長城」


この地震で特に甚大な被害を受けたのが
岩手県の田老村(現宮古市田老)でした。


田老村では村の人口の85%が死亡したとも言われる
壊滅的な被害を受けました。

この経験から、田老では日本最大級の防潮堤
「万里の長城」が建設されました。


高さ10mの防潮堤。

総延長2,433m。

「万里の長城」と呼ばれた巨大な壁。


でもその防潮堤は、
2011年の東日本大震災で乗り越えられました。

田老は再び大きな被害を受けました。


「防潮堤があるから安心」という思い込みが、
避難を遅らせた側面もあったと指摘されています。


「構造物だけでは命は守れない」
——これも明治三陸地震が現代に伝える教訓です。


三陸は「繰り返す」海岸


明治三陸地震(1896年)から歴史を振り返ると、
この海域が何度も大津波に見舞われてきたことが
わかります。


869年   貞観地震(M8.3〜9.0)→大津波
1611年  慶長三陸地震(M8.1)→大津波
1896年  明治三陸地震(M8.2〜8.5)→死者22,000人
1933年  昭和三陸地震(M8.1)→死者3,064人
1960年  チリ地震津波(M9.5)→死者142人
2011年  東日本大震災(M9.0)
           →死者・行方不明者22,000人
2025年12月 青森県東方沖 M7.5
2026年4月  三陸沖 M7.7

気象庁の発表によると、
1896年6月15日の明治三陸地震と同じ海域で、
今年4月20日にM7.7の地震が発生しています。

この海域では時々大規模な地震が発生してきた
歴史があります。

出典:気象庁「令和8年4月20日三陸沖の地震について」
https://www.jma.go.jp/jma/press/2604/21a/
kaisetsu202604211600.pdf


130年前と今年、同じ海域が動いています。

「歴史は繰り返す」
——この言葉が防災の世界でどれほど重いかを、
今日という日に改めて感じます。


130年前の教訓——今に生きる「5つの命令」


内閣府が明治三陸地震の調査報告書で示した教訓は、
130年後の今も有効です。


迅速な避難が生死を分けたことに鑑み、
内閣府は以下を呼びかけています。

避難の際には出来るだけ高い土地に最短距離で到達
することにし、その道筋を平素から確認しておくべき。
高台が付近になければビルの高層階を利用すべき。

出典:内閣府「1896明治三陸地震津波
(災害教訓の継承に関する専門調査会報告書)」
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokei
shou/rep/1896_meiji_sanriku_jishintsunami/index.html


130年前の教訓を5つの行動に落とし込みます。


教訓①「揺れが小さくても逃げる」


「揺れが小さいから大丈夫」
——これが22,000人を死に追いやった思い込みです。


津波地震は揺れが小さい。

遠地津波は揺れを感じない。


沿岸部・河川沿いにいるとき、
少しでも揺れを感じたら即座に高台へ。

「揺れの大きさ」で判断してはいけません。


教訓②「津波警報が出なくても逃げる」


現代は緊急地震速報や津波警報がありますが、
速報より津波が早く来る「近地津波」も存在します。


「津波警報が出ていないから大丈夫」ではありません。

揺れを感じたら、速報を待たずに高台へ向かう。

これが命を守る唯一の行動です。


教訓③「第1波より第2波が大きい」


宮古での記録では地震から約18分後に海水が引き、
第2波が最大の波でした。


第1波が小さくても、油断してはいけません。

最初の引き波が来たとき、
それは「巨大な第2波の前兆」かもしれません。


教訓④「避難場所までの道を「歩いて」確認する」


地図で見るのと、実際に歩くのは全然違います。

夜間・大雨・停電の中でも逃げられるか
——これは実際に歩いてみないとわかりません。


今日、ハザードマップを確認して、
避難ルートを実際に歩いてみてください。


国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/


教訓⑤「構造物だけに頼らない」


田老の防潮堤は乗り越えられました。

どんなに頑丈な構造物も、
「想定を超えた津波」には対応できません。


「防潮堤があるから」「高い所に住んでいるから」
——これらの油断が命取りになります。

「どんな状況でも逃げる」
という意識と習慣が最大の防災です。


今日この日に確認してほしいこと


① 「三陸沖の現状」を正確に理解する


今年4月20日のM7.7以降、
三陸沖ではスロースリップが加速しています。

130年前と同じ海域が、今また動いています。


👉 SONAEAREBAの解説記事
「三陸沖でスロースリップが加速」


② ハザードマップで津波リスクを確認する


沿岸部・河川沿いに住んでいる方は、
今日必ず確認してください。


国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/


③ 「揺れを感じたら即逃げる」を家族で共有する


130年前の教訓を、今日家族全員で共有してください。

「揺れが小さくても、沿岸部では即座に高台へ逃げる」

このルールを共有するだけで、
命が守られる可能性が大きく上がります。


④ 在宅避難の備えを総点検する


津波だけでなく、
地震そのものへの備えも確認してください。


👉 在宅避難シリーズ総まとめはこちら


SONAEAREBAからのメッセージ


今日6月15日。

130年前の同じ日に、
三陸で22,000人の命が奪われました。


「揺れが小さいから大丈夫」と思った人たちが。

お祝いの席で笑っていた人たちが。

突然、何の予告もなく命を奪われた夜でした。


今年、同じ三陸沖でM7.7が起きました。

スロースリップはまだ加速中です。


歴史は繰り返すかもしれません。

でも「知っている人」は繰り返さない

「備えている人」は命を守れる。


今日という日を、
単なる「過去の日」にしないでください。

130年前の22,000人が命をかけて残してくれた教訓を、
今日から行動に変えてください。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を今日、家族にシェアしてください。



「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション