地下深くで、何かが動いている。頻発する「深発地震」が示唆するものとは何か。

防災豆知識
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こんにちは!SONAEAREBAです。

地震の情報を追い続けていると、
ある言葉が気になりだします。

「深発地震」「深部低周波地震」「スラブ内地震」

ニュースや気象庁の発表に時々登場するこれらの言葉。

正直に言えば、よくわからないまま
流してしまっている方が多いと思います。


でも今、この「深発地震」が日本の防災を考える上で
非常に重要になっています。


気象庁が6月5日に発表した
「南海トラフ関連解説情報」によると、
四国西部・四国東部・紀伊半島中部でプレート境界
付近を震源とする深部低周波地震(微動)が、
5月から6月にかけて複数エリアで確認されています。

出典:気象庁
「南海トラフ地震関連解説情報
最近の南海トラフ周辺の地殻活動」2026年6月5日
https://www.jma.go.jp/jma/press/2606/05b/
nt20260605.html


そしてこれは南海トラフだけの話ではありません

今年の日本列島では、
深発地震が各地で頻発しています。

今日は、この「地下深くで起きていること」
丁寧に解説します。


「深発地震」とは何か——30秒でわかる基礎知識


深発地震とは、
一般に深さ100km以上の深いところで
発生する地震のことです。

深さ60kmまでの地震を「浅発地震」、
60〜200kmを「稍深発地震」、
200km以深を「深発地震」と呼びます。

震源は700kmの深さに達するものもあります。

出典:Wikipedia「深発地震」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%
B1%E7%99%BA%E5%9C%B0%E9%9C%87


通常の地震(浅発地震)との
最大の違いは「どこで起きるか」です。


深発地震は、
海洋プレートが沈み込んでいくスラブ
(沈み込んだプレートを指す)の中で発生します。

沈み込んでいくスラブの内部には大きな力が加わって
おり、それが限界に達すると地震が発生します。


わかりやすく言えば——

「地下100〜700kmという、想像を絶する深さで、
 プレートの内部が壊れる」

これが深発地震です。


深発地震の「怖い特徴」——なぜ注目されるのか


特徴①「異常震域」が発生する


深発地震の最も奇妙な現象が「異常震域」です。


2015年5月30日、
小笠原諸島西方沖でM8.1の深発地震が発生しました。
震源の深さは682kmでした。

通常なら震源に近い場所が最も強く揺れますが、
この地震では震源に近い小笠原村だけでなく、
遠く離れた神奈川県二宮町でも震度5強を観測。

北海道から沖縄まで全国で震度1以上を
記録するという珍しい地震でした。

出典:日本経済新聞
「列島全域グラリ 『深発地震』のメカニズム」
https://www.nikkei.com/article/
DGXZZO87537930R00C15A6000000/


震源から遠い場所が強く揺れる。

これが「異常震域」です。


なぜこんなことが起きるのか。


地震波は固いプレートの内部を伝わるとき
は弱まりにくく、遠くまで伝わります。

深発地震では、沈み込んだプレートに沿って
地震波が遠くまで伝わるため、震源から遠い場所でも
強い揺れになることがあります。


「震源から遠いから安全」
という常識が通用しない地震—それが深発地震です。


特徴②「緊急地震速報が出ない」ことがある


緊急地震速報は深さ150km以深の地震については
一般向けに対象から除外されています。

大きな揺れに結びつく可能性が低く、
震度の予測も難しいためです。


2015年の小笠原M8.1でも、
気象庁は緊急地震速報を出しませんでした。

深発地震は「速報なしで揺れる」という特徴があります。


特徴③「深部低周波地震」はスロースリップのサイン


ここが今日最も重要なポイントです。


「深部低周波地震(微動)」という言葉があります。

これは深発地震の一種ですが、
通常の地震とは異なります。


フィリピン海プレートの比較的深い内部で発生する
深部低周波地震は、南海トラフ巨大地震とは
発生メカニズムが異なります。

しかし、プレートの深部での活動変化を示す現象
として、専門家は継続的な監視を続けています。

出典:サイエンスポータル
「南海トラフなどの巨大地震に備える契機に」
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/review/
20240425_e01/


東海地震については、
地震の前兆現象として「前兆すべり(プレスリップ)」
が起きることが想定されています。

フィリピン海プレートの沈み込みにより蓄積された
ひずみが、地震の前にゆっくりとしたすべりとして現れ、
それが急激なすべりへと進展して東海地震が発生すると
考えられています。

出典:気象庁「東海地震とは」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/
nteq/tokaieq.html


つまり深部低周波地震(微動)の活発化は、
プレート境界でのゆっくりとした活動
—スロースリップの進行を示す可能性があります。


今の日本で「深発地震」が示唆するもの


ここで、今年の日本の状況を整理します。


気象庁は2026年6月5日発表の
南海トラフ地震関連解説情報で、
以下の深部低周波地震を報告しています。

四国西部で5月2日から5月23日、
四国東部で5月9日から6月2日、紀
伊半島中部で5月15日から5月21日にかけて、
プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)
が確認されました。

出典:気象庁
「南海トラフ地震関連解説情報
 最近の南海トラフ周辺の地殻活動」2026年6月5日
https://www.jma.go.jp/jma/press/2606/05b/
nt20260605.html


四国西部・四国東部・紀伊半島中部
—3つのエリアで同時期に
深部低周波地震が発生していました。


これと合わせて考えたいのが、
三陸沖でスロースリップが加速しているという
先日の発表です。

日本列島の東側(三陸)でも西側(南海トラフ周辺)
でも、プレートの深部での動きが活発化しています。


南海トラフでは過去1400年間を見ると、
約90〜270年の間隔で大地震が繰り返し発生しています。

フィリピン海プレートが年間数cmの速度で
沈み込み続けており、昭和東南海地震(1944年)
昭和南海地震(1946年)から約80年が経過した今、
切迫性の高い状態にあります。

出典:地震調査研究推進本部
「南海トラフで発生する地震」
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/
rs_kaiko/k_nankai/


「深発地震・深部低周波地震が示唆するもの」
—それは、プレートが今も活発に動いている
 という事実です。

「大地変動の時代」は続いています。


「深発地震」と「普通の地震」の違い—防災への影響


では、深発地震への備えは「普通の地震」
と何が違うのでしょうか。


違い① 揺れ方が予測しにくい


深発地震では震源が深いため、
100kmという深さにもかかわらず釧路市で
震度6が記録された1993年釧路沖地震(M7.8)の
ように、震源の直上ではなく遠く離れた場所が
強く揺れることがあります。


「震源から遠いから大丈夫」
という判断が通用しない地震が深発地震です。

どこにいても「揺れる可能性がある」という認識
が必要です。


違い② 津波が発生しにくい(でもゼロではない)


深発地震は震源が深いため、
海底地形を大きく変動させにくく、
津波が発生しにくいと言われています。

ただし「発生しない」ではありません。

今月8日のフィリピンM8.2(震源の深さ約50km)でも
日本に津波注意報が出たことを思い出してください。


違い③ 緊急地震速報が出ないことがある


深発地震では緊急地震速報が出ない場合があります。

「速報が来てから動く」
では間に合わない可能性があります。

日頃からの備えが最大の対策です。


深発地震への備えは「在宅避難の備え」と同じ


深発地震は「普通の地震と違う」という話をして
きましたが、備えの基本は同じです。


①「揺れを感じたら即動ける」環境を作る

速報が来なくても動けるよう、
今日から準備してください。

・枕元にヘッドライト・スニーカーを置く

・家具の転倒防止グッズをつける

・「揺れを感じたら頭を守り机の下へ」
 を体に染み込ませる


②「どこにいても揺れる」という意識を持つ

深発地震は震源から遠い場所も揺れます。

旅行先・出張先でも揺れることを
想定した備えが必要です。

・外出時にモバイルバッテリーを携帯する

・旅行前に宿泊先周辺のハザードマップを確認する


③「在宅避難の備え」を総点検する

深発地震が示唆するのは
「プレートが活発に動いている」という現実です。

大地震への備えを今日改めて確認してください。

👉 在宅避難シリーズ総まとめはこちら


今日のチェックリスト


□ 気象庁「南海トラフ地震関連解説情報」
 をブックマークした
https://www.jma.go.jp/jma/press/2606/05b/
nt20260605.html

□ 枕元にヘッドライト・スニーカーを置いた

□ 家具の転倒防止グッズをつけた

□ 在宅避難の備え(水・食料・トイレ・電気)
 が揃っている

□ 「速報が来なくても動ける」備えをした


SONAEAREBAからのメッセージ


「深発地震」という言葉は難しく聞こえます。

でも今日お伝えしたかったのは、シンプルなことです。


地下深くで、プレートが今も動いている。

三陸沖でスロースリップが加速している。

南海トラフ周辺で深部低周波地震が頻発している。


これらはすべて
「地球の内部が活動を続けている」というサインです。


「最近地震のニュースが少ないから、
 少し落ち着いたかな」

そう思った方こそ、今日この記事を読んでください。


地震は「ニュースにならない深さ」でも、
今この瞬間も日本の地下で起きています。

その事実を知っているかどうかが、
備えを続ける力になります。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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