液状化現象って何?埋立地や湾岸エリアが危ない理由と都市部での実被害リスク

防災豆知識

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こんにちは!SONAEAREBAです。

都市の足元は、
思っている以上に脆いかもしれません
――それが「液状化現象」です。

都市開発が進んだ東京湾岸や大阪湾岸、
名古屋港周辺の埋立地・三角州地帯では、
見た目が整然としていても、
地震時に地盤がドロドロ化して
家屋や道路が沈下・傾斜するリスクが
続いています。

参考リンク:
国土交通省ホームページ
​地形区分に基づく液状化の発生傾向図等

液状化って何?

液状化は、地震の揺れで砂が緩み、
地下水の圧力が高まって土粒子が
バラバラになり、地盤が液体のように
振る舞う現象です。

木造住宅など軽量で基礎が浅い建物は
傾きやすく、道路・下水・ガスなどの
ライフラインも障害が出やすくなります。

2011年の東日本大震災では湾岸の埋立地
で住宅の沈下・傾斜、道路や配管の被害が
広範囲で確認され、復旧のハードルの
高さも社会課題になりました。​

どこで起きやすい?

起きやすい条件は
「緩い砂層」「地下水位が浅い」
「粒径が均一な砂」
で、
海岸・河口・扇状地・埋立地・三角州の
市街地が典型です。

東京では都が「液状化予測図」
公開し、区ごとのリスク把握を
後押ししています(令和5年度改訂)。

参考リンク:
東京都建設局ホームページ
東京の液状化予測図 令和5年度改訂版

大阪府もPL値(液状化可能性指数)を
使った判定を示しており、
自治体のハザード情報は居住地選びや
備えの第一歩になります。​

参考リンク:
大阪府ホームページ
震度分布・液状化可能性
(平成25年8月算出)

なぜ都市部で見逃されがち?

都市の再開発で道路や建物が新しくなると
「地盤まで強い」と錯覚しがちですが、
地盤条件そのものは変わらない場合が
あります。

とくに埋立地は区画が美しく整っていて
も、地震で長く揺さぶられると液状化が
顕在化し、地盤改良やライフライン復旧に
時間と費用がかかります。

過去事例でも、修理・売却・建て直しの
判断が難航し、住民負担や合意形成が
大きな壁になりました。​

最新動向と技術トレンド

直近では、能登半島地震の被災地で
「地下水位低下工法」による再発防止の
実証工事が進んでいます。

千葉市でも住宅地スケールで同工法を
適用し、外周止水・集排水・揚水で
地下水位を下げ、非液状化層を厚くする
ことで被害抑制が確認されています。

研究・設計面では、浅層盤状改良など
実現性の高い宅地対策の有効性が
蓄積され、非液状化層を地表から
数メートル確保する設計思想が
整理されています。​

リスク評価の実務ポイント

最初に見るべきは
自治体や国の地図で、地形区分に基づく
「液状化の発生傾向図」
重ねるハザードマップの活用が有効です。

東京の液状化予測図や大阪府のPL値情報
など、地域の公式データで相対リスクを
確認し、必要に応じて地盤調査や
専門家評価へと進めます。

新居選びでは、自治体ハザードと
国交省の重ねるハザードマップを併用し、
揺れやすさ・地盤・浸水と合わせて
「総合リスク」で比較検討します。​

参考リンク:
重ねるハザードマップ – 国土地理院

個人が取れる備え

まずは自宅周辺の液状化ハザードマップ
確認と家族での避難動線の見直し、
次に地盤判定と必要な地盤改良の検討が
基本です。

既存住宅でも表層・中層改良や、
敷地単位の地下水位管理など対策メニュー
があり、費用対効果をプロと議論しながら
段階的に進められます。

非構造物の転倒防止、断水・停電に
備えた物資やポータブル電源の準備も、
ライフライン停止時の実害を抑える
現実的な対策です。​

エリア別の着眼(東京・大阪・名古屋)

  • 東京湾岸(江東区・江戸川区など)は
    埋立地が広く、都の予測図で相対評価
    を確認し、区の詳細図や地盤情報と
    突き合わせるのが有効です。
    また、東日本大震災では
    千葉県浦安市の舞浜周辺を含む
    埋立地で広範囲に液状化が発生し、
    家屋被害が甚大でした。
  • 大阪ではPL値に基づく可能性判定が
    公開され、湾岸低地の地盤条件と
    南海トラフ地震の長周期・長時間動揺
    の組合せを念頭に置きます。
  • 名古屋港周辺の三角州・埋立は
    全国的な傾向と同様で、
    自治体ハザードと宅地レベルの
    地盤調査をセットで判断するのが
    合理的です。​

SONAEAREBAとしての視点

都市の防災は
「買う前に調べる」「住んでから備える」
「地域で減災する」

の三段構えが現実的です。

住環境の意思決定を
地盤・水位・地形のファクトで支え、
必要時に専門家と連携して宅地改良や
地下水位管理など最適解を選ぶ――
それが長期的な資産防衛につながります。 ​

バックの中に、あるという「安心」を。

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