「調査の空白域」に、M7の断層が2本あった。産総研が瀬戸内海・燧灘で発見した「見落とされていた地震リスク」の正体。

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こんにちは!SONAEAREBAです。

「瀬戸内海は地震が少ない」
——そう思っていた方に、
今日は重要な事実をお伝えします。


産業技術総合研究所(産総研)の研究チームは、
瀬戸内海中央部の燧灘全域を調査し、
二つの海底活断層の全体像を明らかにしました。

チームによると、
燧灘は今まで詳細な調査がない「空白域」

二つの活断層が動いた場合、
それぞれマグニチュード(M)7以上の
地震を引き起こす可能性があるといいます。

出典:yahooニュース・共同通信
「瀬戸内海に二つの海底活断層 産総研、
 M7地震発生の恐れ」2026年7月10日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/
d332fe1a8ceb99429466e4e4c6ce2bdb6c7b4f73


「空白域」——つまり、
「調査されていなかったから
危険が見えていなかっただけ」
だったのです。


調査を担当した産総研活断層評価研究グループの
大上隆史研究グループ長は
「燧灘海域の地震の発生確率を明らかにして、
備えが進むことを期待したい
」と語りました。


今日はこの発見の「本当の意味」を、
防災の視点から丁寧に解説します。


「燧灘(ひうちなだ)」とはどこか


まず、今回の調査海域を確認しておきます。


燧灘とは、瀬戸内海の中央部に位置する海域で、
愛媛・香川・広島・岡山の各県に面しています。


活断層が見つかったのは愛媛、香川、広島、岡山の
各県に面した瀬戸内海中央部の燧灘の海底です。


地図で確認すると、愛媛県今治市・上島町の沖合から、
香川県三豊市・観音寺市の沖合にかけての広い海域です。

四国・中国地方の住民にとって、
「日常の海」のすぐ下で起きていたことです。


発見された2本の活断層——具体的な数字


今回の調査で確認された
2本の活断層の詳細を整理します。


断層①(西側・芸予諸島東縁部)

産総研が燧灘全域で約790キロにわたり設定した
測線に沿って反射法音波探査を実施した結果、
西側の芸予諸島東縁部で長さ35キロを超える断層を
確認しました。

愛媛県上島町の弓削島沖から同県今治市の伯方島、
大島沖につながっています。

出典:yahooニュース・愛媛新聞ONLINE
「燧灘で大規模活断層2カ所確認」
https://news.yahoo.co.jp/articles/
a9322bd24e95440c047d5aa625f3b842828d3723


断層②(東側・燧灘東部)

燧灘東部で長さ25キロ以上とみられる
断層を確認しました。
香川県三豊市沖から同県観音寺市沖を通る断層です。


整理するとこうなります。

断層①(西側):35km以上
 → 愛媛・今治市〜上島町沖
 → M7以上の地震を起こす可能性

断層②(東側):25km以上
 → 香川・三豊市〜観音寺市沖
 → M7以上の地震を起こす可能性

いずれも北西側が相対的に隆起している
逆断層と推定されています。


「逆断層」——これはプレートが押し合う力で、
片方が上に乗り上げるタイプの断層です。

阪神淡路大震災を引き起こした
野島断層も逆断層型でした。


「長さ25km・35km」が意味する怖さ


「断層の長さ25km・35km」という数字が、
M7という規模とどう結びつくのかを
理解しておきましょう。


一般的に、断層の長さとマグニチュードには
相関関係があります。

断層の長さ約15km → M6.5クラス
断層の長さ約25km → M7.0クラス
断層の長さ約35km → M7.2〜7.3クラス
断層の長さ約60km → M7.5クラス

今回見つかった35km断層は、
M7.2クラスの地震を起こす可能性がある
ということです。


1995年の阪神淡路大震災(M7.3)
と同じオーダーです。

「瀬戸内海の底に、阪神淡路大震災と
同規模の地震を起こす断層が2本あった」

——これが今回の発見の本質です。


なぜ今まで「見落とされていた」のか


ここが今日最も重要なポイントです。


産総研によると、
燧灘に活断層が存在するという報告は
2000年代前半にありましたが、
調査範囲が限定的で、国による長期評価でも
活断層は示されていませんでした。


「国の長期評価にも示されていなかった」
——これは重大な事実です。

地震調査研究推進本部が公表する
「活断層の長期評価」は、日本全国の地震リスクを
把握するための公式な情報です。


その国の評価に「載っていなかった」断層が、
実はM7クラスの地震を起こす可能性を持っていた


なぜこうなったのか。それは単純な理由です。

「海底は調べにくいから、調査されていなかった」
のです。


産総研がこの問題に取り組んできた背景として、
このような指摘があります。

「調査の空白域で活断層の存在を確認したことで、これ
まで見落とされていた地震災害リスクが明確になった」

(大上隆史研究グループ長)


「見落とされていた」という言葉は、
誠実な科学者の正直な表現です。

「今まで安全だと思っていたが、
調べていなかっただけだった」

——これが日本各地の海底で起きている現実です。


この発見が示す「大きな教訓」


今回の燧灘の発見は、
瀬戸内海だけの問題ではありません。


ある地質の専門家はこう指摘しています。

「陸地にあるわかりやすい断層は
ほぼ調べられていますので、今後は陸地に近い海底に
ついても調べていき、発生しうる地震の規模や

それへの対策を進めていくことになるでしょう」

出典:NewsPicks コメント欄、地質専門家
https://newspicks.com/news/16847034/


「陸地の断層はほぼ調べられた。次は海底」
という段階に、今まさに日本は入っています。


燧灘に続いて、日本の近海海底には、
まだ「見つかっていない断層」
が多数存在する可能性があります。

このシリーズで以前解説した
「警固断層帯(福岡)のSランク評価」も、
もともとは十分に知られていなかった断層でした。


「知らない」ことが安全の根拠にはならない
——これが今回の発見の最も重要なメッセージです。


津波リスクも見逃せない


今回の発表で特に注目すべき点が、
「津波の可能性」です。


産総研によると、確認された活断層2本は
いずれもM7以上の大地震を起こす可能性や、
地震後に津波が発生する可能性もあるといいます。


「瀬戸内海で津波?」
と思った方もいるかもしれません。

確かに、瀬戸内海は外洋に比べて閉鎖的な海域で、
津波が小さくなりやすい面はあります。


ただし、過去の歴史を見ると、
瀬戸内海でも津波の被害は起きています。

1854年の安政南海地震では
瀬戸内海にも津波が押し寄せており、
燧灘周辺の地域でも被害が記録されています。


「海底の断層」が動いた場合、
外洋の津波とは異なる形であっても、
局所的な津波が発生する可能性は否定できません。


中央構造線との関係——連動の可能性は「不明」


この2本の活断層と、
有名な「中央構造線断層帯」との
関係を気にする方もいると思います。


この2つの海底活断層は中央構造線断層帯と離れていて、
連動して地震を起こす可能性などの関連性は、
分からないとしています。


現時点では「連動する可能性は不明」というのが
正直な評価です。

研究はまだ始まったばかり。
今年度予定されているボーリング調査で、
過去の地震の履歴が明らかになれば、
より正確なリスク評価ができるようになります。


四国・中国地方の方に今すぐ確認してほしいこと


今回の発見を踏まえて、
愛媛・香川・広島・岡山にお住まいの方に
特にお伝えしたいことがあります。


① ハザードマップで「活断層由来の揺れ」と「津波」を確認する


国土交通省のハザードマップでは、
南海トラフ地震の津波だけでなく、
内陸・海底断層由来の地震リスクも確認できます。


国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/

政府の地震ハザードステーション(J-SHIS)
https://www.j-shis.bosai.go.jp/


J-SHISでは住所を入力するだけで、
今回の燧灘断層を含む近辺のリスクを
数字で確認できます。


② 「南海トラフだけではない」という認識を持つ


四国・中国地方の方は「次の大地震は南海トラフ」
という認識を持っていることが多いと思います。

それは正しいです。でも今回の発見が示す通り、
「南海トラフ以外のリスク」も存在します。


このシリーズでお伝えしてきた通り、
大阪の上町断層(Sランク)、
福岡の警固断層帯(Sランク)——

これらもすべて
「南海トラフとは別の」活断層リスクです。

瀬戸内海の燧灘も、その一つに加わりました。


③ 在宅避難の備えを今日確認する


M7クラスの直下型地震が起きた場合、
断水・停電・建物被害が同時に発生します。

南海トラフでも、今回の燧灘活断層でも、
備えの基本は同じです。


・水7日分以上ありますか?

・携帯トイレ家族分×35回分ありますか?

・ポータブル電源・ランタン・ラジオ
 は揃っていますか?


在宅避難シリーズ総まとめ


SONAEAREBAからのメッセージ


「瀬戸内海は地震が少ない」
——この印象は間違っていませんでした。

でも今回の発見は「少ない」のではなく
「調べていなかった」可能性を示しています。


産総研の大上研究グループ長の言葉が印象的です。

「燧灘海域の地震の発生確率を明らかにして、
 備えが進むことを期待したい」


科学者は「発生確率を明らかにする」ことで
自分の役割を果たします。

私たちは「備えを進める」ことで、
自分の役割を果たします。


今回の発見は、四国・中国地方の方だけへの
メッセージではありません。

日本全国の「調査されていない海底」に、
まだ同じような断層が眠っている可能性があります。


「知らないから安全」ではなく「知ったから備える」
—これがSONAEAREBAの一貫したメッセージです。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

愛媛・香川・広島・岡山にお住まいの家族・友人に、
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