「地震が来たらすぐ避難所へ」は間違いだった。東京都が推奨する「在宅避難」とは何か。

防災豆知識
ページに広告が含まれる場合があります。


こんにちは!SONAEAREBAです。

突然ですが、ひとつ質問させてください。

「地震が来たら、どこに逃げますか?」

おそらく多くの方が「避難所」
と答えると思います。

でも実は、東京都をはじめ
多くの自治体は、条件が揃えば
「避難所に行かないこと」
を推奨しています。

これを「在宅避難」と言います。

今日は、この「在宅避難」について
丁寧に解説します。

※大きな揺れに伴う
津波が予想される場合は
すぐに高台・指定避難場所に避難です


なぜ「避難所にすぐ行かない」のが推奨されるのか


理由は、数字を見ると一目瞭然です。


東京都の人口:約1,400万人

避難所の収容人数:約320万人


東京都内で確保されている避難所は
約3,200か所(協定施設等を含む)、
その収容人数は約320万人と
なっています。


1,400万人に対して320万人分。

単純計算で、
東京都民の約8割は避難所に入れません。


さらに、こんな現実もあります。

2024年に東京新聞が都内53区市町村に
アンケートを行った結果、
32区市町で避難所の受け入れ人数が
住民の2割未満にとどまり、

食料の備蓄は11区が1日分しかない
ことがわかりました。

参考リンク:
東京新聞デジタル
首都直下地震その時…
避難所に入れるのは何割?食料は? 
東京53自治体アンケートで分かった
「備える力」


「地震が来たらすぐ避難所へ」
という常識は、
東京では通用しません。

東京の場合、
首都ならではの人口の多さから、

避難所に収容人数を超える人が
押し寄せたり、道路の混雑で
緊急車両が通れなくなるなど、
「人が人のいのちを奪う」
状況になりかねないと

東京都の公式防災ブック
「東京防災」も警告しています。

参考リンク:
巨大地震への備えと アクション①
– 東京都防災ホームページ


これが「在宅避難」が推奨される
最大の理由です。


そもそも「在宅避難」とは何か


在宅避難とは、
災害発生時に自宅に被害がなければ
避難所に行かずに自宅で生活を
続けること。

住み慣れた自宅で過ごすことによって、
ストレスが減り、心身の健康を
保ちやすくなります。


つまり「逃げない」のではなく、
「自宅が安全なら自宅にいる」
という選択です。


避難所は、
災害で家が倒壊したり、
火災にあったりして住めなくなった人の
ための一時的な生活場所です。

破損が少ないなど、
自宅に住み続けられるのであれば、
在宅避難をしてライフラインの復旧を
待ちましょうと港区は案内しています。


「避難所=誰でも行くところ」
ではありません。

「自宅が使えなくなった人のための場所」
なのです。

この認識の違い、とても重要です。


避難所の「リアルな現実」を知っておく


避難所生活が具体的にどういうものか、
一度整理しましょう。


日本の災害時における
「一般的な指定避難所(体育館など)」
での生活実態です。(一例)

これらは「最低限の生活環境」として
想定されており、
以下のような特徴があります。

  • 居住環境:
    1人あたりの占有面積は、
    畳1枚(約1.65㎡)程度
    が目安とされることが多く、
    非常に窮屈です。
  • プライバシーの欠如:
    雑魚寝(ざこね)の状態が基本で、
    段ボールパーティションやテントが
    導入されない限り、周囲から
    常に視線がある状態になります。
  • 共同生活の制約:
    大勢が一つ屋根の下で過ごすため、
    食事の時間や消灯、騒音などに対する
    厳しい共同ルールが課されます。
  • 衛生とリスク:
    密閉・密集・密接の「3密」に
    なりやすく、インフルエンザや
    新型コロナ、胃腸炎などの
    集団感染リスクが高まります。
  • ペットへの対応:
    多くの自治体で
    「同行避難(一緒に逃げること)」
    推奨されていますが、
    墨田区のペット防災ガイドにあるよう
    に、室内への同伴はできず、屋外や
    別室での管理となるのが一般的です。

これはあくまでも一例ですが、
多くの自治体が限られた予算のなかで、

少しでも快適な避難所開設が
できるように尽力されていますが、

自治体によって大きな格差があり、
まだまだ難しいのが実情です。


そして、避難所が開設されるのは
原則7日間です。

その後はまた別の場所を
探す必要があります。


在宅避難は「我慢して家にいる」
ではありません。

「自分の家という最も快適な環境で、
備えを使いながら乗り切る」
という、
むしろ賢い選択です。


在宅避難ができる条件とは


ただし、在宅避難は
「誰でも・どこでも」
できるわけではありません。

以下の条件を確認してください。


✅ 在宅避難ができる条件

・自宅の建物に倒壊・損傷の危険がない
・隣家の倒壊・火災などで
 自宅に影響がない
・自宅が水害・土砂災害の被害を
 受けていない・危険性がない
・日常生活で他人のサポートを
 必要としない


❌ 在宅避難ができない場合

・建物が倒壊・損傷している
・火災の危険がある
・津波・洪水・土砂崩れの恐れがある
・自力での生活が困難な状態


文京区の公式ページでは
「マンションにお住まいの方は、倒壊の
危険性が少ないため、在宅避難が基本」

と明記されています。

参考リンク:
在 宅 避 難 – 文京区


特に都市部のマンションは耐震性が高く、
在宅避難に適した環境です。

「マンション住まいの方こそ、
在宅避難の準備が最優先」
と言えます。


在宅避難で直面する「3つの問題」


では、在宅避難を選んだとき、
何が問題になるのでしょうか。

大きく分けて3つあります。


問題① 水がなくなる


大地震後、断水は高い確率で発生します。

飲料水だけでなく、
調理・トイレ・衛生管理すべてに
水は必要です。

港区の公式ページでは
「最低7日分以上の水・食料・携帯トイレ
等を家族の分を含めて準備しましょう」

と案内しています。

1人1日3リットル×7日分=21リットル
が必要量の目安です。


問題② トイレが使えなくなる


これが最も見落とされがちで、
最も深刻な問題です。

断水すると水洗トイレが
使えなくなります。

さらにマンションでは、
下水管が損傷した場合に水を流すと、
下の階に汚水があふれる危険性が
あります。

携帯トイレは「あったらいい」ではなく
「絶対に必要」なグッズです。


問題③ 電気・ガスが止まる


停電は大地震後に広範囲で発生します。

スマホの充電ができない
→情報が取れない。

照明がない
→夜が真っ暗になる。

調理できない
→温かい食事が食べられない。

これらを自力で乗り越えるための準備が
必要です。


在宅避難の「基本備蓄リスト」


東京都が推奨する備蓄の
基本は「7日分」です。

最低でも3日分、
理想は1週間分を目標にしましょう。


🥇 最優先で揃えるもの

・飲料水(1人1日3L×7日分)
・非常食(1日3食×7日分)
・携帯トイレ
(1人1日5回×7日分=35回分)
・カセットコンロ+ガスボンベ


🥈 次に揃えるもの

・ポータブル電源
・手回し充電ラジオ
・LEDランタン
・ウェットティッシュ
・ドライシャンプー


🥉 あると格段に快適になるもの

・簡易トイレ便座カバー
・長期保存水(5〜15年保存)
・保温調理鍋
・ポリ袋・ラップ
(食器の代わりに使える)


詳しい商品紹介は、
このシリーズの次回以降で各カテゴリ
ごとに詳しく解説していきます!


自分の備蓄量を確認する公式ツール


東京都は「東京備蓄ナビ」という
無料ツールを公開しています。

家族構成・住居タイプを入力するだけで、
あなたの家に必要な備蓄量と
品目リストが自動で表示されます。


👉 東京備蓄ナビ(東京都公式)
https://www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp/


東京都以外にお住まいの方も
参考にできる内容なので、
ぜひ一度試してみてください。

所要時間はたった3分です。


在宅避難に関する公式情報リンク集


この記事を書くにあたって参照した、
信頼性の高い公式情報をまとめます。


東京都防災ホームページ(総合)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/

東京備蓄ナビ(備蓄量チェックツール)
https://www.bichiku.metro.tokyo.lg.jp/

港区・震災時の在宅避難ガイドブック
https://www.city.minato.tokyo.jp/
azabukyoudou/bousai-anzen/bousai/
azabutikubanbousaipamphlet.html

文京区・在宅避難のお願い
https://www.city.bunkyo.lg.jp/
b009/p000033.html

台東区・在宅避難と備蓄について
https://www.city.taito.lg.jp/bosai/suigaibousai/
hinan/zaitakuhinan_bichiku.html


※各区の公式ページは随時更新されます

最新情報は各自治体のホームページで
ご確認ください。


SONAEAREBAからのメッセージ


「地震が来たら避難所へ」
という思い込みを持ったまま
何も準備しないのが、
実は最も危険な状態です。


避難所に入れるのは都民の約2割。

残りの8割は、
自宅か自力で乗り越えるしかありません。


でも、逆に言えば——

きちんと備えた自宅は、
避難所より快適で安全な場所になれます。


プライバシーがある。

家族と一緒にいられる。

慣れた環境で眠れる。

自分の食べたいものが食べられる。


在宅避難は「諦め」ではありません。

「自分の力で家族を守る」という、
最もアクティブな防災です。


このシリーズでは、
在宅避難に必要なものを1カテゴリずつ
丁寧に解説していきます。

次回は「水・食料編」です。

7日分の備蓄を、
無理なくおトクに揃える方法を
お伝えします。


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

役に立ったと感じたら、
ぜひXでシェアしてください。

周りの大切な人の「気づき」
なるかもしれません。



「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション

バックの中に、あるという「安心」を。

通信障害時に役立つワイドFMラジオ付き