「次の大地震がどこで起きるか」がわかる日が来るかもしれない。九大が発表した新指標「臨界度」とは何か。

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こんにちは!SONAEAREBAです。

昨日2026年5月28日、
九州大学から地震研究の世界で
重要な発表がありました。


九州大学大学院理学研究院の
松本聡教授らの研究グループは、
地震の起こりやすさを示す
新たな指標として「臨界度」の研究
進めていると発表しました。

出典:yahooニュース・FBS福岡放送
「地震の起こりやすさを示す
新たな指標『臨界度』とは」2026年5月28日
https://news.yahoo.co.jp/articles/
499e4c4e0b8bf1527c80c49b520ff7200574728d


「臨界度」。

初めて聞く言葉という方がほとんどだと思います。

でも、この研究が示す可能性は、
防災の世界を根本から変えるかもしれないものです。

今日は、この研究をわかりやすく解説します。


「臨界度」とは何か


まず「臨界度」という指標を理解しましょう。


「臨界度」とは、
同じ場所でそれまでに起こっている
小さな地震の規模や断層の向きなどから
推定するもので、数値が高いほど大きな地震が
起こりやすい可能性があるとしています。


少し噛み砕いて説明します。


地震が起きる断層には
「どれだけ壊れやすい状態にあるか」という
「危険度」があります。

コップに水を注いでいくとき、
あと一滴で溢れる状態——それが「臨界」です。

「臨界度が高い」
=「あと少しのエネルギーで大きく壊れる状態」

なのです。


従来の研究では「b値」という指標が使われてきました。


b値は、地震が起きる断層の
「ストレス(応力)の大きさ」や「強さへの切迫度」を
示すと考えられていますが、
これらを区別することや実際にどう関係しているかは
まだはっきりしていませんでした。

出典:九州大学公式
「地震の頻度分布と発生効率から見た大地震の切迫度」
https://www.kyushu-
u.ac.jp/ja/researches/view/1271/


そこで松本聡教授は、
新たに「効率」という指標を提案しました。

これは、ある範囲の中で発生した地震のモーメント
(地震エネルギーのようなもの)を使って、
その領域の岩盤がどれだけ効率よく壊れているか
を示します。

この効率が高いと、大きい地震を起こしやすい
傾向があり、より強さへの切迫度が高いといえます。


整理すると:

b値:小さな地震の発生頻度から
 断層のストレス状態を推定する

効率(新指標):地震のエネルギーから
 岩盤が「どれだけ壊れやすいか」を示す

臨界度:この2つを組み合わせた
「大地震の起きやすさ」を示す総合指標


熊本地震への適用で何がわかったか


この研究の核心は、
2016年の熊本地震のデータへの適用です。


この手法を2016年熊本地震の震源域に適用したところ、
本震の震源地点では「b値が低く、効率が高かった」
ことが確認され、地震発生の臨界状態にあることを
示していました。


これは何を意味するのでしょうか。


つまり「本震が起きた場所は、
その前から臨界度が高い状態だった」
ということです。

後から振り返ると「ここが危なかった」とわかる
——それが今回の研究で示されました。


さらに重要な発見があります。


熊本地震では、14日の前震発生以降も
「臨界度」は下がらず、16日の本震発生後に
「臨界度」が下がったことが確認されました。


これが最も重要なポイントです。


熊本地震の流れを思い出してください。

・4月14日:M6.5の「前震」発生

・4月15日:「大きな地震は終わった」
 と多くの人が思った

・4月16日:M7.3の「本震」発生


この間、臨界度はずっと高いままだったのです。

「臨界度が高い=まだ大きな地震が来る可能性がある」
というサインが出ていたわけです。


もし当時リアルタイムで臨界度を監視できていたら——

「まだ危険な状態が続いている」
と判断できていたかもしれません。


この研究の「3つの意義」


意義① 「前震」と「本震」の関係を事前に把握できる可能性


熊本地震で起きたことは
「前震→本震」という流れでした。

これは熊本地震に限らず、
過去の大地震でも繰り返されてきたパターンです。


臨界度が高い状態で小さな地震が起きた場合、
「まだ大きな地震が来るかもしれない」
という判断材料になります。

「余震が続いているが、臨界度はまだ高い」
という情報があれば、避難継続の判断ができます。


意義② 「どこで起きるか」を絞り込める可能性


この手法を2016年熊本地震前後の活動に適用し、
地震の発生位置を特定できる可能性を示しました。


「いつ起きるか」だけでなく
「どこで起きるか」を絞り込める可能性——
これは従来の地震予測研究では難しかった部分です。


意義③ 「小さな地震のデータ」を使う実用的な手法


この研究の優れた点は、
「観測可能な小さな地震のデータ」を使うことです。

衛星観測や特殊な装置は不要で、
既存の地震計ネットワークのデータを活用できます。

日本は世界最高水準の地震観測網を持っています。

この手法との相性は抜群です。


研究の「限界」と「今後の課題」も正直に


これだけ画期的な研究ですが、
現時点での限界も理解しておくことが重要です。


まだ実用化には至っていませんが、
現時点での研究では内陸地震だけに適用可能なため、
今後南海トラフ巨大地震のような海溝型地震に
適応するための手法の開発を目指すとしています。


現時点での限界:

内陸地震のみに適用可能(海溝型には未対応)

実用化はまだ先(研究段階)

リアルタイム監視への応用は今後の課題


これは「地震予知が完成した」
という話ではありません。

「より精度の高い地震リスク評価に向けた大きな一歩」
です。


今回の研究と「現在の東北・日本の状況」


この研究を今の日本の状況と重ね合わせると、
非常に重要な示唆があります。


4月20日の三陸沖M7.7以降、
東北では地震活動が続いています。

「ゆっくりすべり」が加速していることも
確認されています。


もし臨界度のリアルタイム監視が実用化されていれば、
「今の東北の臨界度はどの程度か」という判断が
できるはずです。


昨日発表された「内陸地震の8割が余震」という研究
(地震予知総合研究振興会)と合わせて考えると——

「余震が続いている間、その場所の臨界度が
 高い状態が継続している可能性がある」

という解釈も成り立ちます。


つまり「揺れが続いている間は備えを緩めるな」
という、SONAEAREBAが一貫してお伝えしてきた
メッセージと完全に一致します。


この研究が教えてくれること


「臨界度」という新しい指標は、
私たちに3つのことを教えてくれます。


① 地震は「いきなり」ではなく、準備されている

地下では小さな地震を積み重ねながら、
じわじわとエネルギーが蓄積されています。

臨界度はその「蓄積状態」
可視化しようとするものです。


② 小さな地震を「前兆」として読む視点が重要になる

「また小さい地震か」と流すのではなく、
「この地域の臨界度は上がっていないか」という
視点が今後重要になります。


③ 研究が進むほど、備えの精度が上がる

今はまだ実用化前の研究段階ですが、
こうした研究が積み重なることで、将来的により
精度の高い防災情報が届けられるようになります。


「研究が実用化する前」にできる備え


臨界度が実用化されるまでの間、私たちができることは
「今すぐ備えを整えること」です。


最も重要な3点を確認してください。


① ハザードマップで自宅のリスクを確認する

内陸地震リスクを確認するには「J-SHIS」が便利です。

政府の地震ハザードステーション(J-SHIS)
https://www.j-shis.bosai.go.jp/


② 在宅避難の備えを整える

地震がどこで起きても対応できるよう、
水・食料・トイレ・電気の備えを整えておきましょう。

👉 在宅避難シリーズ①〜⑥


③ 「揺れた後も警戒を続ける」習慣をつける

熊本地震の前震→本震の教訓、
昨日の「8割が余震」研究、
そして今日の「臨界度」研究——

すべてが「地震の後も警戒を緩めてはいけない」
という同じメッセージを発しています。


SONAEAREBAからのメッセージ


「次の大地震がどこで起きるか」
を予測することは、地震科学の長年の夢です。

九州大学の研究は、
その夢に一歩近づく重要な成果です。


でも実用化はまだ先の話。

今の私たちにできることは
「研究が実用化する前に、備えを整えておくこと」
です。


臨界度が実用化されたとき、
「あのとき備えておいてよかった」
と思える状態でいるために。


今日1つだけ、備えを確認してください。

それだけで、
あなたの命の守り方が確実に変わります。


SONAEAREBAは
これからも「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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