こんにちは!SONAEAREBAです。
「各地で夕焼けが赤かった」「地震の前兆では」
——そんな声を見かけることがあります。
でも今日は、似ているようで全く違う、
もう一つの話をします。
「火山の噴火」と「赤い夕焼け」の関係です。
これは、地震と夕焼けの話とは違い、
歴史上何度も観測されてきた、
科学的に実証済みの現象です。
そして今、そのきっかけになりうる大きな出来事が、
実際に起きています。
まず結論——「地震×赤い夕焼け」はデマ、「火山×夕焼け」は本物
先に整理しておきます。
古くから
「異常に赤い夕焼けが出ると地震が起きる」
といった俗説も語られてきました。
特に、1995年に発生した阪神淡路大震災の前に
「赤く不気味な夕焼けが見られた」という体験談が
注目を集めたことで、そうした説が広まりました。
しかしながら、現時点では夕焼けの色や様子と
地震の発生においても因果関係があるという
科学的な根拠はありません。
夕焼けは、太陽光が大気中の微粒子や
水蒸気に散乱されることで起こる自然現象で、
気象条件や大気中の塵の量によって
日々その色合いや濃さが変わります。
一方、地震は地下のプレート運動や断層活動によって
発生する地殻変動であり、大気中の変化と
直接関係しているとは言いがたいのが現状です。
「地震」と「赤い夕焼け」
——これは、はっきり無関係と言えます。
地震は地下のメカニズムで、
夕焼けは大気中のメカニズムです。
それぞれ全く別の現象です。
一方で——
「火山の噴火」と「赤い夕焼け」は、話が別です。
こちらには、実際に観測データと
物理的なメカニズムの両方が存在します。
昨日、バヌアツで大規模噴火が発生していた
ここで、
今まさに起きているニュースをお伝えします。
日本時間8月25日(火)18時40分頃、
南太平洋のバヌアツにあるアンバエ火山で
大規模な噴火が発生しました。
ニュージーランド・ウェリントンにある
航空路火山灰情報センター(VAAC)によると、
気象衛星ひまわり9号からの観測で噴煙が
海抜高度約1万5000mに到達していると推定されます。
出典:ウェザーニュース
「バヌアツ・アンバエ火山で大規模な噴火
噴煙高度約1万5000mと報告」2026年8月25日
https://weathernews.jp/news/202608/250291/
噴煙が高度1万5,000m——
これは民間航空機の巡航高度(約1万m前後)
を大きく超える高さです。
気象庁は20時35分に
「遠地地震に関する情報」を発表し、
2022年1月のトンガの火山噴火の際に起きたような
津波の有無を監視するとしました。
気象庁は26日(水)5時00分に
「この噴火による日本への津波の影響はありません」
と発表しました。
出典:yahooニュース・朝日新聞
「日本への津波の影響はないと発表 気象庁、
バヌアツ諸島の大規模噴火」
https://news.yahoo.co.jp/articles/
12b0c2f93e4366883454e3b67ebc25292596377d
2022年のトンガ噴火の際に日本でも津波が観測された
ことを覚えている方も多いと思います。
今回は、気象庁が同じ枠組みで慎重に監視した結果、
津波の心配はないと確認されました。
「噴火した火山」はどこにあるのか
今回噴火したのは、
バヌアツのアオバ島(アンバエ島)にある
「マナロ火山(アンバエ火山)」です。
アンバエ火山(Ambae/標高1,496m)は、
バヌアツのアンバエ島を形成する
大規模な盾状火山です。
2017年9月から2018年10月にかけての噴火では、
噴煙が海抜高度約1万3700mに達したほか、
溶岩噴泉や溶岩流、多量の降灰、泥流が発生しました。
2017年10月には
約1万1600人の全島民が避難しています。
その後も2021~22年、2023年、2024年などに
噴火が確認され、断続的に活動が続いています。
(出典:ウェザーニュース)
つまりアンバエ火山は、
今回が「突然の初めての噴火」ではなく、
近年断続的に活動を続けてきた火山が、今回さらに
規模の大きな噴火を起こしたということです。
なぜ「巨大噴火」は夕焼けを赤くするのか——科学的なメカニズム
ここからが、今日の核心です。
大規模な火山噴火が「世界各地の夕焼けを赤くする」
という現象は、実際に何度も観測されてきました。
メカニズム——成層圏に舞い上がった微粒子が、光を強く散乱させる
巨大噴火が噴出する火山灰・エアロゾル
(硫酸塩などの微粒子)は、
噴煙が十分な高さに達すると、雨で洗い流されない
「成層圏」にまで到達することがあります。
成層圏に到達した微粒子は、
地表付近の雲のようにすぐには落ちてこず、
数週間から数年にわたって大気中を漂い続けます。
太陽の光がこの微粒子の層を通過するとき、
特に夕方・朝方は太陽光が大気を通過する距離が
長くなるため、赤い光がより強く散乱され、
燃えるような赤い夕焼け・朝焼け
として観測されることがあります。
歴史上の実例——1883年クラカタウ大噴火
この現象で最も有名な歴史的事例が、
1883年のインドネシア・クラカタウ火山の大噴火です。
この噴火では、噴煙が成層圏まで到達し、
噴火後の数年間、世界各地で異常に赤い夕焼けが
観測され続けたという記録があります。
当時ヨーロッパでは、この異常な夕焼けが
絵画にも描かれるほど話題になりました。
また、
1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火でも、
同様に世界的な異常気象と、
印象的な夕焼け現象が観測されています。
「噴火の規模が大きく、噴煙が成層圏まで届く場合」
に限り、火山と夕焼けの関係には、
実際に科学的な裏付けがあるのです。
では、今回のバヌアツ噴火は「夕焼けを赤くする」規模なのか
ここで、科学的に誠実に
お伝えしなければならないことがあります。
今回のアンバエ火山の噴火(噴煙高度約1万5,000m)
が、日本を含む世界各地の夕焼けに影響するほどの
規模かどうかは、現時点では断定できません。
理由は3つあります。
① 噴火からまだ1日も経っていない
火山灰・エアロゾルが大気中を数千km移動し、
日本上空に到達するには、通常数日〜
数週間かかります。
② クラカタウ・ピナツボ級の「超巨大噴火」
との規模の違い
歴史的に世界の夕焼けを変えた噴火は、
火山爆発指数(VEI)で6以上という、
極めて稀な規模の噴火でした。
今回のアンバエ火山の噴火規模については、
まだ精査中の段階です。
③ 赤道付近の成層圏の高さ
赤道に近い地域では、成層圏の下限(対流圏界面)
が高度約17km前後にあります。
今回の噴煙高度(約1万5,000m)は、
成層圏に届くかどうかの境界線に近い数字です。
つまり——
「バヌアツで噴火があった」ことと
「今、各地で夕焼けが赤い」ことを、
現時点で直接結びつけることは、
科学的には慎重であるべきです。
今後、確認すべきこと
もし今後、実際に日本を含む世界各地で
異常に赤い夕焼けが続けて観測されるようであれば、
それは今回のバヌアツ噴火(それ以降の他の噴火)が、
成層圏にエアロゾルを送り込んだ結果である
可能性があります。
このような現象を確認する方法として——
出典:気象庁「噴火警報・噴火速報」
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html#5
/34.5/137/&contents=volcano
出典:スミソニアン自然史博物館
「Global Volcanism Program」
(世界の火山活動データベース)
https://volcano.si.edu/
これらの公式情報を確認することで、
憶測ではなく、事実に基づいて夕焼けの変化を
理解することができます。
「地震の噂」と「火山の科学」——この違いを覚えておいてほしい
このシリーズでは6月に「人工地震説」、
先日「台風と地震の関係」を検証してきました。
今日の「夕焼け」の話は、その両方の要素を含んだ、
興味深いテーマでした。
✅「地震」と「夕焼け」
→ 科学的根拠なし。明確な迷信。
✅「巨大な火山噴火」と「夕焼け」
→ 歴史的に実証された、本物の科学的現象。
ただし「噴火の規模」と「時間の経過」が条件。
同じ「赤い夕焼け」というキーワードでも、
「地震」と結びつけると迷信になり、
「火山」と結びつけると科学になる——
これは、噂を検証する上で非常に重要な視点です。
「何と何が結びついているか」を
正確に見極めることが、防災リテラシーの基本です。
SONAEAREBAとして、私たちが伝えたいこと
「赤い夕焼けを見た」という体験は、
多くの方に共通する、印象的な出来事です。
その体験に「意味」を見出したくなる気持ちは、
自然なことです。
でも、その「意味」を、
地震という無関係な現象に結びつけるのではなく、
実際に起きている「バヌアツの噴火」という事実に、
正確に結びつけて考えることが大切です。
科学は、私たちに
「わからないことをわからないと言う誠実さ」
も教えてくれます。
今回のバヌアツ噴火が、
今後の空にどんな影響を与えるか——
それは、これからの観測データが教えてくれます。
「赤い夕焼け」が出たから地震が発生するのではなく、
私たちが暮らす日本では「いつ・どこで・どのように」
地震が発生してもおかしくないという事実です。
だからこそ、
「いつでも備えること」が大切になります。
SONAEAREBAはこれからも、噂や不安に対して、
科学的に誠実な情報をお届けします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





















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