こんにちは!SONAEAREBAです。
8月23日未明、
茨城県南部を震源とする地震で、
関東は震度5弱の揺れに見舞われました。
直近の関東は「記録的短時間大雨」と
「直下地震」が立て続けに起きています。
今日は、その地震が発生した場所——
「地震の巣」と呼ばれる、
関東地下の特殊な構造について、
深掘りします。
今回の震源は「地震の巣」だった
まず、驚くべき事実からお伝えします。
関東地方の地下は、
3枚のプレートが重なる複雑な構造になっています。
陸のプレート(北米プレート)の下に南から
フィリピン海プレートが、さらにその下には東から
太平洋プレートが沈み込んでいます。
今回の地震は、
フィリピン海プレートと太平洋プレートの
境界付近で発生した「プレート境界型地震」です。
震源が68キロと深かったため、
比較的広範囲で強い揺れが観測されたとみられます。
出典:毎日新聞(Infoseekニュース)
「関東で震度5弱 『地震の巣』で発生、
首都直下との関係は」2026年8月23日
https://news.infoseek.co.jp/article/mainichi_
20260823k0000m040123000c/
「地震の巣」——
この呼び名は、決して比喩ではありません。
茨城県南部は、日本の中でも
特に地震が多発することで知られる、
専門家の間で古くから注目されてきた地域です。
なぜ関東の地下は「地震の巣」になるのか
理由は、日本列島の中でも稀に見る、
複雑なプレート構造にあります。
関東地方は、世界的に見ても
非常に複雑なプレート境界に位置しています。
出典:yahooニュース・テレ朝ニュース
「未明の震度5弱…“地震の巣”とは
首都直下地震の可能性は」
https://news.yahoo.co.jp/articles/
81d4cc70f6b3c442a84034192140360de494ff24
古くからの研究でも、
この特殊性は指摘されてきました。
関東地方の周辺には、太平洋プレート、
ユーラシアプレート、フィリピン海プレートが
「攻めあう」ように存在しています。
フィリピン海プレートが関東地方の下にかなり
もぐりこんでいることは確かなようです。
つまり関東の地下は——
①一番上:陸のプレート(北米プレート、
または諸説によりユーラシアプレート系)
②真ん中:南から沈み込むフィリピン海プレート
③一番下:東から沈み込む太平洋プレート
3枚のプレートが、
地下でサンドイッチのように重なり合っています。
日本の他の地域は、
基本的に2枚のプレートが接する場所で地震が起きます。
関東は、3枚が同時に関わり合う、
世界的にも珍しい場所なのです。
プレートが重なると、なぜ地震が増えるのか
3枚のプレートがそれぞれ違う方向・違う速度で動くと、
その境界面のあらゆる場所に、ひずみが蓄積します。
関東地方下の活発な地震活動が、
フィリピン海プレートのもぐりこみと関連した
ものであることが、震源データの分析によって
指摘されてきました。
境界が1つなら、
ひずみが蓄積する場所も一つの面に限られます。
でも境界が2つ
(北米×フィリピン海、フィリピン海×太平洋)
あると、ひずみが蓄積する「場所」も2倍になります。
これが、関東で地震が頻発する物理的な理由です。
まだ解明されていない「謎のプレートの破片」——関東フラグメント
ここからが、今日最も興味深い話です。
実は近年、関東の地下について、
まだ結論の出ていない新しい仮説が研究されています。
関東の深部にある高速度の岩盤
(地震波が速く伝わる硬い塊)について、
従来の解釈とは異なる主張をしました。
この構造は、太平洋プレート本体の上側にあり、
場所によってはフィリピン海プレートとの間に
挟まれるように分布しています。
出典:産総研
「首都圏直下に潜むプレートの断片と地震発生」
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2008/
nr20081010/nr20081010.html
従来のモデルでは、この構造は
「フィリピン海プレートが
深く沈み込んで折れ曲がった部分」
と解釈されてきました。
しかし——
この深部の高速度体には、
フィリピン海プレートよりも太平洋プレートに
近い特徴があると主張されました。
これは、関東地方の地下に、太平洋プレートから
剥がれた巨大な岩盤の断片が存在するという仮説です。
その断片は、
現在沈み込んでいる太平洋プレート本体と、
その上にあるフィリピン海プレートとの間に
挟まれていると考えられています。
この「太平洋プレートから剥がれ落ちた、
巨大な岩盤のかけら」は、研究者の間で
「関東フラグメント(Kanto Fragment)」
と呼ばれています。
そして、
この仮説にはさらに重要な指摘があります。
この関東フラグメントは、
首都直下で発生するマグニチュード7クラスの地震とも
関係している可能性が指摘されています。
もし「関東フラグメント」が本当に存在するなら、
それは首都直下地震の発生場所を、
従来考えられていたよりも増やす可能性がある——
これがまだ結論の出ていない、最新の研究テーマです。
今回の地震と「首都直下地震」の関係——正確な理解
ここで、
8月上旬の「中央構造線・南海トラフ」記事と
同じように、科学的に誠実な整理をします。
今回のような地震と、政府が想定する
「首都直下地震」の関係について、
正確な情報を確認します。
首都直下では将来、
大地震が発生する可能性があります。
2025年に政府がまとめた被害想定では、
東京湾付近を震源とする
都心南部直下地震(M7.3)が発生した場合、
約1万8,000人が死亡するとしています。
ただ、これは複数あるシナリオのうちの
最悪のケースで、
震源はフィリピン海プレートの内部
を想定しています。
出典:毎日新聞(Infoseekニュース)
つまり——
【今回の地震(8月23日)】
→ フィリピン海プレートと太平洋プレートの
「境界」で発生
→ 震源の深さ68km
【想定されている都心南部直下地震】
→ フィリピン海プレートの「内部」を想定
→ 異なるメカニズム
今回の地震そのものが、
直接「首都直下地震の前兆」というわけでは
ありません。
でも、どちらも
「関東の地下に複数のプレートが重なっている」
という同じ根本構造から生まれる地震である、
という点で、切り離して考えることはできません。
関東にお住まいの方が、今日知っておくべきこと
① 「関東は元々、地震が多い場所」という前提を持つ
3枚のプレートが重なる関東の地下構造は、
今回の地震だけで生まれたものではありません。
日本列島の中でも、
構造的に地震が多い地域に住んでいる
という前提を持つことが、防災の第一歩です。
② 気象庁の「今後1週間」の呼びかけを守る
気象庁は今後1週間程度、最大震度5弱程度の揺れに
注意するよう呼びかけています。
気象庁「地震情報」
https://www.jma.go.jp/bosai/map.html
③ 都心南部直下地震(M7.3・死者最大1万8,000人)への備えを、今日確認する
このシリーズで6月17日にお伝えした
首都直下地震の被害想定を、
あらためて確認してください。
内閣府「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」
https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg/
④ 水道管の破裂など、老朽インフラへの備え
今回、東京・江東区で水道管の破裂による
道路冠水が起きました。
自宅の止水栓の位置を、
今日確認しておいてください。
⑤ 在宅避難の備えを、あらためて総点検する
3枚のプレートが重なる複雑な構造を持つ関東で、
次にどこが揺れるかを正確に予測することは、
現在の科学ではできません。
「いつ、どこで起きても対応できる備え」
を整えることが、唯一確実な対策です。
SONAEAREBAからのメッセージ
関東の地下には、3枚のプレートが折り重なる、
世界的にも珍しい構造があります。
「地震の巣」という呼び名は、
決して大げさな表現ではありません。
そして今、研究者たちは「関東フラグメント」という、
太平洋プレートから剥がれ落ちた巨大な岩盤の
かけらの存在を検証しています。
まだ結論の出ていない仮説ですが、
もしこれが事実なら、首都直下地震の発生場所は、
私たちが思っているよりも複雑かもしれません。
科学はまだ、
関東の地下のすべてを解明できていません。
でも「関東は構造的に地震が多い場所である」
という事実は、揺るぎません。
今回の震度5弱を、
「またか」で終わらせないでください。
関東にお住まいのすべての方へ。
今日、備えを一つ、見直してください。
SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。




















「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション















