こんにちは!SONAEAREBAです。
このシリーズは4月から、
繰り返しお伝えしてきました。
「避難所には8割の人が入れない。
だから在宅避難の備えを」
今日は、
その「在宅避難」という選択が、
令和8年熊本地震の被災地で今、
どんな現実を生んでいるのかを、
正直にお伝えします。
そして、南海トラフ地震・首都直下地震・
中央構造線内陸地震が起きたとき、
同じことがもっと大きな規模で起こりうる
という話をします。
熊本地震から3週間——「数字に見えない被災者」
2026年の熊本地震で大きな被害に見舞われた
八代市や氷川町では、高齢や体が不自由なため
自治体が指定した避難所に行けず、
在宅避難を続けたり、自主的にできた
「避難所」に身を寄せたりする人がいます。
弱い立場の人に支援物資やサービスが
十分に届かないという課題があります。
出典:熊本日日新聞
「<2026年熊本地震>数字に見えない被災者も
在宅避難や自主『避難所』 支援物資など届かず」
https://kumanichi.com/articles/2021909
「数字に見えない被災者」——この言葉が、
今日最も重く受け止めるべき言葉です。
避難所にいる人数は、自治体が把握し、
報道され、支援計画の基礎になります。
でも在宅避難者は——そもそも「何人いるのか」を、
行政も正確に把握できていません。
なぜ、このシリーズが勧めてきた「在宅避難」に、支援が届きにくいのか
正直にお伝えします。
このシリーズは、「避難所に入れない現実」を
伝えるあまり、「在宅避難なら安心」という
印象を強めすぎていたかもしれません。
在宅避難や訪問介護が
「命綱」となっている現実について、
TBS NEWS DIGが詳しく報じています。
出典:楽天ニュース・産経ニュース
「在宅避難、届かぬ支援 災害関連死の懸念も
把握難しく 訪問介護が命綱 熊本地震3週間」
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein__
life_trend_VNTZ5ZP7RVJYRGDSU6DBPX4CZM/
在宅避難には、避難所にはない、
こんな課題があります。
① 行政が「どこに」「何人」
在宅避難者がいるか把握しにくい
② 物資(水・食料・簡易トイレ)が
自動的には届かない
③ 体調の変化・災害関連死の兆候に気づく人がいない
④ 訪問介護・見守りが頼みの綱になるが、
その体制自体が被災している
このシリーズで在宅避難のグッズを
紹介してきたのは、間違いではありません。
でも「グッズを揃えれば安心」ではなく、
「グッズを揃えた上で、
自分の存在を周囲・行政に知らせる」
ことまでがセットで必要だったのです。
なぜ避難所に行かないのか——被災者の本当の声
被災しても避難所に行けない理由について、
TBS NEWS DIGは被災者の声を詳しく伝えています。
「迷惑かけるのでは」「火事場泥棒が何件か…」
それぞれの不安があります。
出典:TBS NEWS DIG
「熊本地震から2週間、
被災しても避難所に行けない理由」2026年8月11日
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2865952
「迷惑をかけるのでは」——
高齢の方、体が不自由な方ほど、
この気持ちが強くなります。
「留守にすると空き巣が心配」——
このシリーズでも8月上旬に「震災便乗犯罪」の記事で
お伝えした不安が、ここでも避難行動を妨げています。
避難所の環境にも、大きな課題があります。
男女同室で「着替えられない」、いまだ雑魚寝も…
避難所をめぐる“格差”について、
専門家は「標準化されていない」と指摘しています。
出典:FNNプライムオンライン
「男女同室で『着替えられない』いまだ雑魚寝も…
避難所めぐり“格差” 専門家『標準化されていない』」
https://www.fnn.jp/articles/-/1090200
避難所も、在宅避難も、
それぞれに違う困難があります。
「どちらが正解」ではなく、
「どちらにも支援の隙間がある」
——これが今の熊本の現実です。
「災害関連死」——見えにくいからこそ深刻
首相官邸の記者会見でも、
この問題が繰り返し取り上げられています。
「令和8年熊本地震」でお亡くなりになった方は、
災害関連死の可能性のある方を含めて
38名となりました。
現在も約7,100名の方々が避難所での生活を
余儀なくされており、さらに多くの方々が
在宅避難や車中泊を続けておられます。
猛暑日・酷暑日が続く中、「災害関連死」を
防ぐためにも、被災された方々の生活環境を
より安全で快適なものにしていく必要があります。
出典:首相官邸
「令和8年熊本地震について(記者会見)」
https://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/
earthquake20260728.html
「避難所での生活を余儀なくされている人」
は数字で把握されています。
「さらに多くの方々」——在宅避難・車中泊の人数は、
「さらに多く」としか表現できていません。
これが、災害関連死の把握を難しくしている
根本的な構造です。
「避難所より猛暑の木陰」——
エアコンなしの避難生活、停電の老人ホームでは
「ナースコールも作動しない」という報道もあります。
被災者を苦しめる真夏の災害が、
発災から3週間を過ぎても続いています。
これは「熊本だけ」の課題ではない——南海トラフ・首都直下で何倍にもなる
ここからが、今日最も伝えたいことです。
熊本地震(震度7・死者38名以上)でさえ、
これだけの「支援の隙間」が生まれています。
南海トラフ地震・首都直下地震では、
被害の規模が桁違いです。
南海トラフ地震——死者最大29万8,000人が意味すること
このシリーズで8月3日にお伝えした通り、
南海トラフ地震の最新被害想定(2025年3月)は、
死者最大約29万8,000人です。
熊本地震の死者・関連死約38名でさえ、
支援が行き届かない在宅避難者を生んでいます。
死者想定が熊本地震の約7,800倍という規模の災害で、
「誰が」「どこで」「どんな状況で」被災しているかを、
行政が正確に把握できるでしょうか。
在宅避難者への支援の遅れ・見落としは、
熊本よりもはるかに深刻な規模で起こる
可能性があります。
首都直下地震——避難者最大480万人という規模
首都直下地震の最新被害想定(2025年12月)では、
避難者最大480万人、災害関連死最大4万1,000人と
想定されています。
避難所の想定収容人数は都民の2割程度——
このシリーズで4月にお伝えした通り、
8割の人が、最初から在宅避難か車中泊を
選ばざるを得ません。
熊本の「数字に見えない被災者」の問題が、
首都直下地震では都市部全体で、
桁違いの規模で起こることになります。
中央構造線内陸地震——「次の熊本」が全国のどこでも起こりうる
このシリーズで8月上旬に詳しく解説した通り、
日奈久断層帯は中央構造線とつながっています。
中央構造線は和歌山・奈良・三重・愛媛・徳島・大分
など、日本の広範囲を通っています。
今回の熊本地震で起きた「在宅避難者への支援の遅れ」
は、これらの地域で同種の直下地震が起きたときにも、
同じ構造で繰り返される可能性があります。
「在宅避難」を選ぶなら、グッズ以外に必要なこと
このシリーズはこれまで、ポータブル電源・
携帯トイレ・水の備蓄を中心に紹介してきました。
今日は、それに加えて「グッズだけでは足りない」
部分を、正直にお伝えします。
① 「自分がここにいる」ことを、行政・地域に伝える手段を作る
在宅避難を選ぶ場合、自治会・自主防災組織・
避難所の受付などに「在宅避難していること」を
登録できる仕組みがある自治体が増えています。
平時のうちに、
お住まいの自治体に「在宅避難者登録」
のような制度があるか確認しておいてください。
② 高齢者・体が不自由な家族がいる場合は「見守りの約束」を今日決める
訪問介護・ケアマネジャーがいる場合は、
災害時にどう連絡を取り合うか、
事前に確認しておいてください。
離れて暮らす家族がいる場合は、
「1日1回、決まった時間に安否確認の連絡をする」
というルールを、今日決めておいてください。
③ 「近所同士の顔の見える関係」が、実は最大の防災インフラ
行政の支援が届くまでの間、
実際に命を支えているのは近隣住民同士の助け合い
であることが、多くの災害で報告されています。
日頃からのご近所付き合いは、
「面倒なもの」ではなく「もしものときの命綱」です。
④ 避難所か在宅避難か、「今の自分の状況」で事前に考えておく
「迷惑をかけるのでは」という不安で
避難所に行けない方も多いですが、
体調管理・災害関連死のリスクを考えると、
高齢者・持病がある方・体が不自由な方は、
可能であれば早期に避難所や二次避難(ホテル・旅館)
を選ぶ方が安全な場合があります。
「我慢して在宅避難を続ける」ことが、
必ずしも最善とは限りません。
SONAEAREBAからのメッセージ
このシリーズは4月から、
「避難所には8割の人が入れない。
だから在宅避難を」
と伝え続けてきました。
その考え方自体は、
今も間違っていないと思っています。
でも今日、
正直にお伝えしなければならないことがあります。
「在宅避難の備え」は、ポータブル電源や携帯トイレを
揃えることだけでは終わりません。
「自分がそこにいる」ことを、
誰かに知らせる仕組みが必要です。
熊本地震(死者38名以上)でさえ、
この「数字に見えない被災者」の問題が起きています。
南海トラフ地震(死者最大29万8,000人)、
首都直下地震(避難者最大480万人)では、
この課題はもっと大きな規模で
私たちに降りかかります。
グッズを揃えることは、備えの半分です。
もう半分は、「一人にならない」ための備えです。
このシリーズはこれからも、
うまくいっていることだけでなく、
見えてきた課題も正直に伝え続けます。
それが、SONAEAREBAが
「知る防災」を掲げる理由です。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
熊本の被災者の方々に、
そして全国の在宅避難を考えているすべての方に、
この記事が届きますように。
「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション
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