「車で逃げれば安全」は危険な思い込み。車中泊避難で命を落とす人がいる、という現実。

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こんにちは!SONAEAREBAです。

大地震が起きたとき、
多くの人が選ぶ避難方法があります。

**「車中泊」**です。


熊本地震では避難経験者の
約7割が車中泊を経験しました。

余震への恐怖から合理的な選択でしたが、
リスクを知る人が少なかったのが現実です。


「プライバシーが守れる」
「ペットと一緒にいられる」
「自分のタイミングで動ける」


—車中泊にはたくさんのメリットがあります。


でも、知っておかなければならない事実があります。


熊本地震の関連死228人のうち、
少なくとも60人以上が車中泊を経験していました。


地震そのものでは死ななかった人が、
車中泊によって命を落とす。

今日は、この「見えないリスク」について
徹底的に解説します。


車中泊で起きる「最も危険な病気」——エコノミークラス症候群


まず、この病気を正確に理解する


エコノミークラス症候群の正式な名前は
肺血栓塞栓症といい、脚などの下半身の静脈でできた
血液のかたまり(血栓)が、血液の流れにのって
肺の血管(肺動脈)で詰まる病気です。

発症すると、突然の胸の痛みや呼吸困難、動悸、
息切れなどの症状が出ます。
意識を失ってしまうこともあります。


長時間同じ姿勢で座り続ける。

水分を控える。

この2つが重なると、誰にでも起きる病気です。


「3割」が血栓を発症していた——衝撃の調査結果


新潟県中越地震後では車中泊された方の内、
約3割が血栓を発症していたことがわかっています。

また東日本大震災でも車中泊者に対する調査で、
うち3割に足の静脈に血栓が見られたとのことです。

出典:GAZOO.com
「災害時の車中泊で3割に血栓発生の可能性」
https://gazoo.com/ilovecars/useful/
bousai/21/01/28/


3人に1人。

これは「特別な人」ではなく、
車中泊をした人の標準的な割合です。


熊本地震では54人が入院、その8割以上が女性


2016年の熊本地震では54人が
エコノミークラス症候群で入院が必要と判断され、
その8割以上にあたる42人が女性でした。

出典:Yahoo!天気・災害
「エコノミークラス症候群予防法」
https://emg.yahoo.co.jp/notebook/
contents/article/economy200330.html


なぜ女性に多いのか。

トイレを我慢して水分を控える傾向が女性に強いこと、
妊娠中・出産直後はリスクがさらに高まることが
関係していると考えられています。


エコノミークラス症候群より怖い「肺炎」のリスクも


車中泊が原因で引き起こされる病気は
エコノミークラス症候群だけではなく、
「肺炎」も同じく車中泊が原因となって
引き起こされる可能性があります。

実はエコノミークラス症候群よりも死亡要因として
高いとの指摘もあり、高齢者の方、病気がちな方
およびその家族の方は車中泊での避難に一層の
注意を払う必要があります。

出典:京都光華女子大学社会学部「熊本地震の教訓1」
https://www.koka.ac.jp/sociology/news/bousailab/
car-evacuation-economy-class-syndrome


エコノミークラス症候群だけに注目していると、
見落としてしまうリスクがあります。

特に高齢の家族がいる方は、
肺炎のリスクも意識してください


なぜ「車中泊」を選ぶ人が多いのか


熊本地震では多くの人が車中泊を選びました。

「余震が怖い」
「ペットと一緒にいたい」
「避難所がいっぱい」

という理由が背景にあります。


車中泊を選ぶ理由は、
決して不合理ではありません。


・倒壊の恐怖がある自宅に戻れない

・避難所が定員オーバーで入れない

・ペットを連れて避難所に入れない

・プライバシーを確保したい


これらは「正当な理由」です。

問題は「車中泊そのもの」ではなく
「正しい知識がないまま車中泊をすること」なのです。


熊本市が「車中泊避難ガイドライン」を策定——2026年の最新動向


ここで重要な最新情報をお伝えします。


熊本地震から10年。
熊本市は災害関連死などのリスクを防ぐため、
車中泊避難者に向けたガイドラインを公表しました。

「車中泊避難者支援ガイドライン」では、
座った状態で寝ないことや水分補給、
体を動かすことなど予防方法のほか
事前に準備しておくことなどが掲載されています。

出典:くまもと県民テレビ
「車中泊避難のガイドラインを策定」
https://www.kab.co.jp/news/article/16471092


このガイドラインで特に注目すべき工夫があります。


ガイドライン策定に携わった専門家は
「車中泊をする際には
足を置く位置に気を付けてほしい」
と話しています。

「洗濯かごを入れて足が上がるように、
なるべく座った状態じゃなく、
足をのばして寝られる環境を作っています」


足を上げる。

座ったまま寝ない。

これだけのことが、命を守る対策になります


さらに熊本市は実際の避難場所まで設定しました。


熊本市中央区の「熊本競輪場」
南区の「アクアドームくまもと」
の2カ所を車中泊避難場所として設定し、
震度6弱の地震が起きると自動的に開放されます。

それぞれの収容想定台数は150台で、
二次元コードを活用し年齢や住所、既往歴などから
エコノミークラス症候群のリスクを選別、
保健師が巡回して健康観察を行います。


熊本市のこの取り組みは、
車中泊避難を「自己責任の問題」ではなく
「行政が支援すべき避難形態」として
正式に位置づけた、先進的な事例です。


お住まいの自治体に「車中泊避難場所」
指定されているか、ぜひ一度確認してみてください。


エコノミークラス症候群「セルフチェック」


該当数が多いほど注意が必要です。
血栓ができやすい人は車中泊をお勧めできません。

また無症状で突然命に関わる場合もありますので
予防対策が大切です。
1つでも該当する場合は救護所に行ってください。

出典:トヨタ「災害時の車中泊避難とは?」
https://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/social_
contribution/tdrs/common/pdf/tdrs_emg-
helpbook_toyota_digest.pdf


以下に当てはまる方は、
車中泊そのものを避けるか、
特に強い注意が必要です。


・過去にエコノミークラス症候群と
 診断されたことがある

・妊娠中・出産直後である

・肥満・糖尿病などの持病がある

・喫煙する

・高齢である


ひとつでも当てはまる方は、車中泊よりも
在宅避難・避難所を優先的に検討してください。


今日から備える「車中泊避難 5つの対策」


対策① 着圧ソックスを車に常備する


予防には着圧ソックスが有効とされています。
きつすぎず、緩すぎず適切なサイズを選びます。

足首の圧が強く、ふくらはぎの圧が弱いものを
選ぶ必要があります。


着圧ソックスは血流を助け、血栓のリスクを下げます。

車のグローブボックスや非常持ち出し袋に
常時入れておきましょう。


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💡 着圧ソックスは長距離ドライブ・飛行機での
 移動にも使えるフェーズフリーアイテムです


対策② 「水分補給と携帯トイレ」をセットで備える


予防の基本は
「1〜2時間ごとに外を歩く」「水をしっかり飲む」
「携帯トイレを備える」ことです。

次の買い物のときに、携帯トイレを1セット購入して
車のトランクに入れておきましょう。

「水を控えなければ」という心理がなくなるだけで、
車中泊時の最大リスクをひとつ潰せます。


これが最も重要な対策です。

「トイレに行きたくないから水を飲まない」
という心理を、携帯トイレ1つで解消できます。


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💡 在宅避難シリーズで紹介した携帯トイレを、
 車にも分散して常備するのがおすすめです


対策③ 「足を上げる」環境を作る


熊本市のガイドラインが示す通り、
足を上げて寝ることが重要です。


▼ おすすめ商品

フットレスト・クッション(車中泊用)
→ 足を上げた状態を作れる。普段の車内でも使える

車中泊用エアマット
→ 凹凸を軽減し、横になりやすい環境を作る


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対策④ ポータブル電源で「車内の温度管理」をする


夏の車中泊は熱中症、
冬の車中泊は低体温症のリスクがあります。


冬場は寒いと眠れず交感神経が昂り
血栓ができやすくなることから、保温できるもの
(衣服、毛布、シーツなど)が必要です。


ポータブル電源があれば、車のエンジンを切った
状態でも冷風・暖房機器を動かせます。

エンジンをかけ続けると一酸化炭素中毒のリスクが
あるため、ポータブル電源での代替が安全です。


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対策⑤ 「1〜2時間ごとに体を動かす」を徹底する


どんなグッズよりも重要な行動習慣です。


・1〜2時間に1回は車外に出て歩く

・座ったまま足首を回す・伸ばす運動をする

・ふくらはぎを軽くマッサージする


「グッズを買えば終わり」ではありません。

体を動かす習慣が、最大の予防策です。


今日のチェックリスト


□ エコノミークラス症候群のセルフチェックで
 当てはまる項目を確認した

□ 着圧ソックスを車に常備した

□ 携帯トイレを車に分散して置いた

□ 車中泊用エアマット・フットレストを用意した

□ 1〜2時間ごとに歩く・体を動かすことを
 家族で確認した

□ お住まいの自治体に車中泊避難場所の指定が
 あるか確認した


SONAEAREBAからのメッセージ


「車があれば安全」
——これは半分正解で、半分間違いです。


車中泊は、プライバシー・ペットとの同居
自由な移動という大きなメリットがあります。

でも知識がないまま選ぶと、
エコノミークラス症候群・肺炎という
「見えないリスク」に直面します。


熊本地震では、地震そのものでは助かった命が、
その後の車中泊で奪われました。

「せっかく助かった命」を失わないために。


着圧ソックス・携帯トイレ・1〜2時間ごとの運動
——これらはどれも今日から始められます。


このシリーズでは、
これからも在宅避難・車中泊避難・避難所
あらゆる避難の形に対応する備えを発信していきます。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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