「激甚災害」とは何か——令和8年熊本地震が指定された「激甚災害」の意味と、被災者が使える支援制度を完全解説。

防災豆知識
ページに広告が含まれる場合があります。


こんにちは!SONAEAREBAです。

今日2026年8月4日(火)、
重大な政府決定が行われました。


高市早苗首相は3日、
2026年熊本地震で被害を受けた
公共土木施設や農地などの復旧について
「激甚災害(本激)」に指定する方針を
明らかにした。

復旧・復興予算を確保するため、
26年度の予備費から200億円を超える
規模を支出する方針も示した。

4日に閣議決定する見込み。
運転免許証の有効期間延長など、
行政手続きの特例を適用できる
「特定非常災害」にも指定する予定。

出典:熊本日日新聞
「激甚災害指定へ 2026年熊本地震 首相表明」
https://kumanichi.com/articles/2021471


「激甚災害」「特定非常災害」「予備費200億円超」

ニュースでこれらの言葉を聞いて、
「何がどう変わるのか」
わからなかった方も多いと思います。

今日はこれを、シンプルに解説します。


「激甚災害」とは何か——30秒でわかる解説


激甚災害とは、
地震や台風などの災害の中でも、
被害が著しく大きく、
被災した地方公共団体(市区町村・都道府県)
の財政力だけでは到底対応できないと判断された場合
に、国が特別な支援を行う制度です。


指定されると、
自治体による公共土木施設や
農地等の災害復旧事業について、
地域を特定せずに、
国庫補助嵩上げの特別措置が行われます。

出典:内閣府防災担当 公式X


もう少しわかりやすく言うと——

通常、災害で壊れた道路・橋・河川・
農地などの復旧工事は、
国と地方自治体が費用を「分担」します。

しかし激甚災害に指定されると、
国が負担する割合が大幅に引き上げられ、
自治体の財政負担が軽くなります。


激甚災害に指定される
自治体の復旧にかかる財政負担が軽くなる。

出典:日本経済新聞
「熊本地震、首相が激甚指定を表明
予備費200億円超使用も決定へ」
https://www.nikkei.com/article/
DGXZQOUA030O40T00C26A8000000/


「激甚災害」の2種類——「本激」と「局激」の違い


実は激甚災害には2種類あります。


【本激(本激甚災害)】
→ 災害全体を対象にする
→ 地域を特定しない
→ 大規模な災害に適用される

【局激(局地激甚災害)】
→ 特定の市町村を対象にする
→ 被害が局地的な場合に適用される

今回の令和8年熊本地震は
本激」に指定される見込みです。

「地域を特定せずに」
という内閣府の発表が示す通り、
熊本県全体を対象とした
大規模な支援が行われます。


「予備費200億円超」——何に使われるのか


復旧・復興予算を確保するため、
26年度の予備費から200億円を
超える規模を支出する方針も示した。
物資支援や災害復旧に充てる。


「予備費」とは、
年度当初の予算に計上しておく
「緊急用の予算」です。

国会の議決なしに内閣が支出できる、
「緊急事態への即応資金」です。


200億円超が具体的に何に使われるかというと——

・避難所への物資支援(食料・飲料水・簡易トイレ)
・仮設住宅の建設
・医療・福祉施設の応急復旧
・道路・橋・河川の応急復旧工事
・断水対応(給水車・浄水設備)
・二次避難の宿泊費支援

被災者の生活に直接関わる支援が、
この予備費から賄われます。


「特定非常災害」——被災者の日常生活を守る特例措置


今回もう一つ指定される「特定非常災害」は、
激甚災害とは異なる別の制度です。


生活再建などのため、
行政の手続きに関し期限延長など
特例を設ける「特定非常災害」の適用も決めた。

出典:日本経済新聞


具体的には、こんな特例が受けられます。


✅ 運転免許証の有効期間を延長できる
✅ 各種行政手続きの期限を延長できる
✅ 土地・建物の権利に関する申請期限の延長
✅ 損害保険の請求期限の延長
✅ 各種税金・保険料の猶予・減免措置

「地震で家が壊れて忙しいのに、
免許の更新期限が来てしまった」

そういった状況から被災者を守るための制度です。


被災者が実際に使える「支援制度」まとめ


激甚災害指定・特定非常災害指定によって
受けられる支援に加えて、
被災者が活用できる主な制度を整理します。


① 被災者生活再建支援金(最大300万円)


住宅が全壊・大規模半壊した被災者が
受け取れる支援金です。

全壊:最大300万円
大規模半壊:最大250万円
中規模半壊:最大100万円

申請先:お住まいの市区町村窓口


② 罹災証明書——すべての支援の「入り口」


被災者支援を受けるために、
まず必ず取得すべきなのが「罹災証明書」です。


罹災証明書とは、
市区町村が住宅の被害状況を調査・証明する書類で、
被害の程度(全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊など)
が記載されます。

内閣府防災情報罹災証明書


この証明書がないと、
多くの支援制度が利用できません。

被災した方は、
まず市区町村に罹災証明書の申請をしてください。


申請先:お住まいの市区町村窓口


申請の4ステップ

  1. 被害状況の写真撮影
    • 片付けや修理の前に、
      必ずスマホなどで撮影してください。
    • 内外の被害がわかるよう、
      遠景・近景の両方を残します。
  2. 必要書類の準備
    • 罹災証明書交付申請書
      (自治体の窓口やHPで入手)
    • 被害状況がわかる写真
    • 本人確認書類
      (運転免許証、マイナンバーカードなど)
  3. 自治体の窓口へ申請
    • お住まいの市区町村の役所(担当課)の窓口、
      郵送、またはマイナポータル等による
      オンライン申請を行います。
  4. 現地調査と交付
    • 申請後、市区町村の職員が自宅の現地調査
      (被害認定調査)に訪れます。
    • 調査結果に基づき、
      後日「罹災証明書」が交付されます。

絶対に知っておくべき「大事なこと」

  • 写真は「片付け前」に撮る
    • 片付けてしまうと、職員が正しい被害規模を
      特定できず、判定が下がってしまう恐れが
      あります。
  • 申請の期限に注意する
    • 災害発生から「3か月以内」など、
      自治体ごとに期限が設けられていることが
      多いです。早めの行動が鉄則です。
  • 「罹災届出証明書」との違いを理解する
    • 写真などで「被害があった事実」のみを
      届け出た証明書です。
      職員による現地調査(被害程度の判定)が
      ないため、大がかりな支援金受給には
      使えない場合があります。
  • 火災の場合は「消防署」へ
    • 地震や台風などの自然災害は
      「市区町村(役所)」が窓口ですが、
      火災の場合は「管轄の消防署」
      申請先になります。

詳細はお住まいの市区町村の役所(担当課)
の窓口で必ず確認して下さい。

③ 義援金——自治体経由で被災者に直接届く


「義援金」「支援金」は別物です。

【義援金】
→ 企業・個人が寄付したお金
→ 日本赤十字社・自治体などが取りまとめ
→ 被災者に直接分配される

【支援金(被災者生活再建支援金)】
→ 国・自治体が支出する公的な支援金
→ 住宅の被害程度によって金額が決まる
→ 罹災証明書が必要

今回の令和8年熊本地震に対しても、
日本赤十字社が義援金の受付を開始しています。


日本赤十字社「令和8年熊本地震義援金」
https://www.jrc.or.jp/


④ 災害救助法——避難所・仮設住宅の提供


今回の地震では「災害救助法」が適用されています。

これにより、以下が無料で提供されます。

・避難所の開設・運営
・仮設住宅(応急仮設住宅)の提供
・食料・飲料水の供給
・被服・寝具の給与
・医療・助産サービス

⑤ 住宅ローン・各種ローンの返済猶予


被災して住宅を失った方でも、
住宅ローンの返済が続く——これは深刻な問題です。


各金融機関は「被災者向けのローン返済猶予」
を実施しています。

お取引の金融機関(銀行・信用金庫・JAなど)
に相談してください。


⑥ 特定非常災害の特例——期限が延長される手続き


今回の「特定非常災害」指定により、
以下の手続きの期限が延長されます。

・運転免許証の有効期間
・各種行政手続きの申請期限
・損害保険の請求期限
・相続放棄の申述期限
・各種税申告の期限

「期限が来てしまった」と焦る前に、
まず市区町村窓口や各機関に
「特定非常災害の特例が使えますか」
と確認してください。


今回と「2016年熊本地震」の対応を比較して


今回の令和8年熊本地震の激甚災害指定は、
発生から7日目(8月4日)です。

2016年の熊本地震では、
発生から約3週間後に激甚災害に指定されました。


今回は指定が早い——これは被害の深刻さを国が
素早く認識した結果とも言えます。


また「特定非常災害」の指定は、
2024年の能登半島地震でも適用されており、
被災地支援の「標準的な対応」として
定着してきています。


「激甚災害指定を受けた熊本」の今後の課題


激甚災害指定は「スタート」であって
「ゴール」ではありません。


今回の熊本地震で特に深刻なのが
「断水の長期化」です。


熊本県内のライフラインへの影響として、
停電は8月1日までに100%復旧したが、
断水は長期化している。


激甚災害の補助金が動いても、
水道管の修復には時間がかかります。

能登半島地震では断水が最長5ヶ月続きました。


今回の熊本でも、
断水は長期化する可能性があります。

熊本・八代・宇城にお住まいで断水が続いている方は、
今日の給水情報を確認してください。


熊本県「令和8年熊本地震 給水情報」
https://www.pref.kumamoto.jp/


SONAEAREBAからのメッセージ——「激甚災害指定」を知っておく意味


今日の記事は、
熊本の被災者の方だけに
向けたものではありません。


「激甚災害」「特定非常災害」「罹災証明書」
「被災者生活再建支援金」
——

これらの言葉を、
今日ここで覚えておいてください。


南海トラフ地震・首都直下地震が来たとき。

もし自分や家族が被災したとき。

「どんな支援が受けられるのか」
を知っている人と知らない人では、
復旧・復興のスピードが大きく変わります。


「備える」とは、
グッズを揃えるだけではありません。

「支援制度を知っておく」ことも、
立派な防災の備えです。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

熊本・九州の家族・友人に、
この記事をシェアしてください。



「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション