こんにちは!SONAEAREBAです。
このシリーズでは
6月に福岡の「警固断層帯」、
8月には熊本の「日奈久断層帯」
を詳しく解説してきました。
今日は、
福岡県に走るもう一つの活断層——
「宇美断層」についてお伝えします。
「宇美断層」とは何か
まず、この断層の公式な評価を確認します。
宇美断層について、
地震の規模はM7.1程度、
地震発生確率は30年以内に
ほぼ0%と評価されています。
平均活動間隔は約2万年〜3万年、
最新の活動時期は約4,500年前以後
とされています。
出典:地震調査研究推進本部
「宇美断層」長期評価
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/
rs_katsudanso/reg_kyushu_04_umi/
宇美断層は、福岡県中部——
太宰府市・宇美町・志免町など
を通る活断層です。
「30年以内にほぼ0%」という数字だけを見ると、
「心配ない」と感じるかもしれません。
でも、このシリーズで8月に繰り返しお伝えしてきた
通り、「確率が低い」ことと「安全」であることは、
全く別の話です。
「確率が低い」ことの本当の意味——熊本地震の教訓を思い出す
このシリーズで8月上旬に紹介した、
地震調査研究推進本部の重要なデータを、
もう一度確認します。
活断層で起きる地震は、
発生間隔が数千年程度と長いため、
30年程度の間の地震発生確率値は
大きな値とはなりません。
例えば、
平成7年(1995年)兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)
の発生直前の確率値を求めてみると0.02%〜8%、
平成28年(2016年)熊本地震の場合は
ほぼ0%〜0.9%でした。
出典:地震調査研究推進本部「長期評価結果一覧」
阪神淡路大震災も、2016年の熊本地震も、
そして今年の令和8年熊本地震も
——発生前の確率は「ほぼ0%」台でした。
宇美断層の「30年以内にほぼ0%」という数字は、
これらの過去の巨大地震が起きる直前の断層と、
同じレンジの数字です。
「平均活動間隔2万年〜3万年、最新活動は約4,500年前」
——つまり、次の活動までまだ1万5,000年〜2万5,000年
ほどの「猶予」があるという計算になりますが、
これはあくまで平均であり、地震がいつ起きるかを
正確に予測するものではありません。
もし宇美断層が動いたら——被害想定の規模
では、実際にこの断層が動いた場合、
どれほどの被害が想定されているのか、確認します。
宇美断層でM7.1程度の地震が発生した場合、
福岡県内の広い範囲で強い揺れが想定されます。
全国地震動予測地図の詳細なデータは
地震ハザードステーション(J-SHIS)
で確認できます。
防災科研 地震ハザードステーション
https://www.j-shis.bosai.go.jp/
「最大避難者数は警固断層超えの約23万2,000人」
このシリーズがタイトルでお伝えした数字は、
福岡県が公表している被害想定の中でも、
際立って大きな数字です。
比較——福岡県の主要な断層による被害想定
このシリーズで6月にお伝えした
警固断層帯の想定と比較してみます。
福岡の警固断層帯で震度7なら
死者最大1,800人と、福岡県が試算しています。
出典:西日本新聞
「福岡の警固断層帯で震度7なら…死者最大1800人
福岡県が試算」
https://www.nishinippon.co.jp/item/1418412/
さらに、今年新たに明らかになった想定もあります。
福岡県は、福岡市北西沖の玄界灘に位置する
「小呂島近海断層帯」と福岡都市圏の直下を貫く
「警固断層帯南東部」が連動して起きる
地震の被害想定を初めて明らかにしました。
福岡市や久留米市など
12市町で最大震度7を観測し、
災害関連死を含む死者が計3,300人、
発災当日の避難者も計36万9,000人に上ると
試算しています。
県が公表している県内で起こり得る地震の
被害想定では最悪の規模となりました。
出典:西日本新聞
「小呂島と警固断層連動地震
福岡、久留米など12市町で最大」2026年6月22日
https://www.nishinippon.co.jp/item/1506694/
整理すると——
【警固断層帯単独】
死者最大1,800人
【小呂島近海断層帯+警固断層帯南東部の連動】
死者3,300人・避難者36万9,000人
(県内最悪の想定)
【宇美断層】
避難者約23万2,000人
(警固断層帯単独の想定を上回る規模)
「宇美断層」は、単独の断層としては
警固断層帯を上回る避難者数が想定されている、
福岡県にとって見過ごせない断層だということが、
この比較から見えてきます。
なぜ今、福岡の活断層想定が次々と見直されているのか
このシリーズで6月にお伝えした通り、福岡県は近年、
活断層の被害想定を積極的に見直しています。
2024年1月に海域活断層によって引き起こされた
能登半島地震を踏まえ、これまで未着手だった
近海の活断層による被害想定を進めています。
出典:西日本新聞
能登半島地震(海域の断層)、
そして今年の令和8年熊本地震(内陸の日奈久断層帯)
——このシリーズで追いかけてきた大地震はいずれも、
「事前の確率評価は低かったが、実際に発生した」
という共通点があります。
福岡県が「小呂島近海断層帯」のような、
これまで未着手だった断層の想定を進めているのは、
こうした近年の地震の教訓を踏まえた、
極めて重要な取り組みです。
宇美断層は「中央構造線」の仲間ではない——正確な位置づけ
このシリーズで8月に、
熊本の日奈久断層帯が中央構造線とつながっている
という話を詳しく解説しました。
宇美断層は、これとは異なる断層系に属します。
福岡県には、
警固断層帯・小呂島近海断層帯・宇美断層など、
複数の独立した活断層が存在しています。
それぞれが異なる地震発生メカニズム、
異なる活動間隔を持っており、
「一つの断層が動いたから、他の断層も連動して動く」
という単純な関係ではありません。
このシリーズが繰り返しお伝えしてきた通り、
日本には全国32か所のSランク活断層があり、
それぞれが独立したリスクとして存在しています。
宇美断層も、
その一つとして正確に理解する必要があります。
福岡県にお住まいの方へ——今すぐ確認すべきこと
① 自分の住む地域が、どの断層の被害想定範囲に入るか確認する
宇美断層は太宰府市・宇美町・志免町周辺、
警固断層帯は福岡市中心部を通っています。
お住まいの地域が、どの断層の想定範囲に
含まれるかを確認してください。
政府の地震ハザードステーション(J-SHIS)
https://www.j-shis.bosai.go.jp/
地震調査研究推進本部「宇美断層」長期評価
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/
rs_katsudanso/reg_kyushu_04_umi/
② 「避難者23万2,000人」という規模を、自分ごととして捉える
このシリーズで6月にお伝えした通り、
避難所の想定収容人数は、
多くの自治体で人口の2割程度しかありません。
「避難者23万2,000人」という規模の災害では、
多くの方が在宅避難・車中泊を選ばざるを得ない
状況になります。
③ 「確率が低いから」で判断を止めない
このシリーズで繰り返しお伝えしてきた通り、
阪神淡路大震災も、2016年・2026年の熊本地震も、
発生前の確率評価は「ほぼ0%」台でした。
「30年以内にほぼ0%」という宇美断層の評価も、
同じ枠組みで理解する必要があります。
SONAEAREBAからのメッセージ
「宇美断層」——
このシリーズで初めて取り上げる断層の名前です。
「最大避難者数は警固断層超えの約23万2,000人」——
福岡県内でも際立って大きな想定です。
「30年以内にほぼ0%」という確率だけを見て、
安心してはいけません。
阪神淡路大震災も、2016年の熊本地震も、
そして今年の令和8年熊本地震も、
発生前の確率は同じように低い数字でした。
福岡県は今、能登半島地震・
令和8年熊本地震の教訓を踏まえて、
県内の活断層想定を次々と見直しています。
これは、福岡にお住まいの方にとって、
まさに「今、知っておくべき」情報です。
警固断層帯だけでなく、宇美断層、小呂島近海断層帯
——福岡県には複数の断層リスクが存在しています。
どれか一つを知っているだけでは、
十分な備えとは言えません。
SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
福岡にお住まいの家族・友人に、
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