こんにちは!SONAEAREBAです。
このシリーズでは先日、
毎日使っている「エレベーター」や「自動販売機」
に隠れた防災の仕組みを解説しました。
今日は、もっと身近な、
あなたのスマートフォンに注目します。
「ピロンピロン」「ウーウー」——
地震や災害のとき、スマホから鳴るあの警報音。
あれ、全部同じ仕組みだと思っていませんか?
実は、名前も仕組みも、発信元すら異なる、
複数の警報が存在します。
今日は、その違いを、正確に整理します。
緊急地震速報とJアラートは、そもそも「別物」
まず、多くの方が混同している、
この2つの違いから確認します。
全国瞬時警報システム(Jアラート)とは、
弾道ミサイル情報、緊急地震速報、大津波警報など、
対処に時間的余裕のない事態に関する情報を
携帯電話等に配信される緊急速報メール、
市町村防災行政無線等により、
国から住民まで瞬時に伝達するシステムです。
出典:総務省消防庁
「全国瞬時警報システム(Jアラート)の概要」
https://www.fdma.go.jp/about/organization/
post-18.html
ここが重要なポイントです。「Jアラート」というのは、
一つの警報の名前ではなく、複数の警報情報を配信する
ための”仕組み・システム全体の名前”です。
Jアラート(J-ALERT)とは、
弾道ミサイル攻撃などの有事の発生や、
大規模な地震が発生し対応に時間的余裕がない場合に、
国から住民まで人手を介さず瞬時に情報を伝達するため
の「全国瞬時警報システム」です。
Jアラートは、2007年2月より運用が開始されました。
つまり、こういう関係になっています。
【Jアラート】
= 国から住民へ情報を届ける
「仕組み・システム」の名前
その中で配信される情報の一例が——
【緊急地震速報】【大津波警報】
【弾道ミサイル情報】
= Jアラートという仕組みを使って配信される
「個別の警報」
「Jアラートが鳴った」という表現をよく耳にしますが、
正確には「Jアラートという仕組みを通じて、
緊急地震速報(や、他の警報)が配信された」
ということなのです。
なぜ「音」まで、こんなに違うのか
このシリーズが繰り返し伝えてきた
「知っているかどうかで、行動の速さが変わる」
という考え方は、実はこの警報音にも当てはまります。
緊急地震速報が発表されたことが即座にわかるよう、
テレビやラジオ、スマートフォンなどでは、
専用の報知音と共に緊急地震速報をお知らせします。
テレビやラジオなどでの放送内容や
携帯電話で着信した内容を確認していると、
強い揺れへの備えが遅れてしまいますが、
この報知音を覚えておくことで、
緊急地震速報が発表されたときに、
とっさに身を守る行動がとれるようになり、
緊急地震速報をより有効に利用できるようになります。
出典:気象庁「緊急地震速報を見聞きしたときは」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/
eew/koudou/koudou.html
「音を聞いた瞬間に、何の警報か判断できる」——
これが、警報音の役割です。
内容を文字で読んでいる時間がないからこそ、
音だけで「地震だ」「津波だ」と
即座に判断できるように設計されているのです。
なお、緊急地震速報に使われている
専用のチャイム音(いわゆるNHKチャイム音)には、
こんな配慮もあります。
緊急地震速報に使用されているNHKチャイム音は、
地震波観測時以外での鳴動を抑制する目的で
試聴音の提供をしていません。
出典:総務省消防庁
「全国瞬時警報システム(Jアラート)の概要」
この音は、
「本当に地震が来たとき以外は、めったに聞かない音」
として、意図的に特別な扱いがされています。
普段のテレビやYouTubeなどで安易に試聴できないよう
にされているのは、いざというときの緊張感を
保つための工夫でもあります。
実は「iPhone独自」の警報も存在する——見落とされがちな事実
ここで、まだあまり知られていない、
重要な事実をお伝えします。
「詳しい安全警報情報」は、
警報発令機関からの情報に基づいて、
地震や洪水などの緊急事態に関する
補足的な安全警報情報を提供できます。
こうした補足的な安全警報情報は、利用可能な場合、
Wi-Fiやモバイルデータ通信を使って送信されます。
補足的な安全警報情報はAppleが配信するもので、
地方自治体が送信する緊急地震速報/災害・避難情報
とは見た目や音が異なります。
出典:Apple公式サポート
「緊急地震速報/災害・避難情報/
詳しい安全警報情報(iPhone)」
https://support.apple.com/ja-jp/102516
つまり、iPhoneをお使いの方には、
国や自治体が発信する公式の警報とは別に、
Appleが独自に配信する「補足的な警報」が
存在するということです。
どちらの警報も、地震の推定マグニチュードや
震源までの距離、身の安全を守るために推奨される
行動に関する情報を提供します。
(出典:同上)
内容は似ていても、「見た目や音が異なる」ため、両方が
届いたときに「何が起きているのかわからず混乱する」
という状況も起こりえます。
自分のiPhoneで、この機能がオンになっているか、
今日確認しておくと安心です。
確認方法:「設定」→「通知」→一番下までスクロール
→「詳しい警報情報」の下の「詳しい安全警報情報」
「熱中症警戒アラート」も、実は仕組みが違う
このシリーズで7月・8月に何度も紹介してきた
「熱中症警戒アラート」。
これも、緊急地震速報やJアラートとは、
また異なる仕組みで配信されています。
環境省・気象庁が発表する熱中症警戒アラートは、
多くの場合、スマホの防災アプリ
(Yahoo!防災速報など)を通じて通知される仕組みで、
緊急地震速報のような「強制的に鳴る」タイプの警報
とは異なり、アプリごとに通知のオン・オフや
詳細な設定(地域・通知時間・通知レベル)を、
利用者自身が調整できる場合があります。
緊急地震速報が「有無を言わさず鳴る」設計
であるのに対し、熱中症警戒アラートは
「利用者が事前に設定しておく必要がある」
通知だという違いも、覚えておく価値があります。
このシリーズで繰り返しお伝えしてきた通り、
熱中症警戒アラートを見逃さないためには、
事前にアプリの通知設定をオンにしておくことが
欠かせません。
「マナーモードでも鳴るのか」——見落としがちな設定確認
もう一つ、実用的な注意点があります。
「設定」アプリ →「通知」→「緊急速報メール」
を確認。メーカーやキャリアによって
画面が異なる場合があります。
「緊急速報メールの許可」に
チェックが入っているか確認してください。
auをお使いの方は、「au災害対策」アプリ内の
「マナー時の鳴動」が「鳴動する」になっているかも
確認を。
出典:ふくしまの防災HIH
「緊急地震速報の仕組みとスマホ設定を
防災士が徹底解説」
https://bosai-hih.jp/kyukyu-jishin-b/
基本的に緊急地震速報・Jアラートは、
マナーモード中でも強制的に鳴るように
設計されています。
でも、機種やキャリアによっては、
別途「マナー時の鳴動」設定を確認しておく
必要がある場合もあります。
会議中・映画館・就寝中——
「音が鳴らない設定になっていた」
ということがないよう、
今日一度、この設定を確認してみてください。
今日、確認しておくべき「3つの警報の違い」——まとめ
今日お伝えした内容を、整理します。
【Jアラート】
= 国から住民へ緊急情報を届ける、
仕組み・システム全体の名前
(緊急地震速報・大津波警報・ミサイル情報など
を配信する土台)
【緊急地震速報】
= Jアラートという仕組みを使って配信される、
地震専用の警報
(専用のチャイム音で、
聞いた瞬間に判断できるよう設計)
【Appleの「詳しい安全警報情報」】
= 国・自治体の警報とは別に、
Appleが独自に配信する補足的な警報
(見た目・音が公式警報と異なる)
【熱中症警戒アラート】
= 環境省・気象庁が発表し、
多くは防災アプリ経由で通知
(利用者側の事前設定が必要な場合が多い)
今日、あなたにできること
① iPhoneの「詳しい安全警報情報」がオンになっているか確認する
設定アプリから「通知」→「詳しい警報情報」を、
今日一度確認してみてください。
② 「緊急速報メールの許可」設定を確認する
マナーモード中でも警報が鳴るよう、
設定がオンになっているか確認しましょう。
③ 熱中症警戒アラートなど、通知型の警報アプリを設定しておく
このシリーズで紹介してきたYahoo!防災速報などの
アプリで、通知設定をオンにしておいてください。
④ 緊急地震速報の「音」を、公式サイトで一度確認しておく
気象庁が案内する情報を通じて、
正規の報知音がどんな音か、
あらかじめ知っておくことをおすすめします。
気象庁「緊急地震速報を見聞きしたときは」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/
eew/koudou/koudou.html
SONAEAREBAからのメッセージ
「地震のとき、スマホから鳴る音」——
普段、深く考えることは少ないと思います。
でも、今日お伝えした通り、
それは決して「一つの音」ではありません。
Jアラートという大きな仕組みの中に、
緊急地震速報という個別の警報があり、
iPhoneにはApple独自の補足的な警報もある。
熱中症警戒アラートは、また別の仕組みで届きます。
「音を聞いた瞬間に、何が起きているかわかる」——
これが、これらの警報音に込められた設計思想です。
今日、あなたのスマホの通知設定を、
一度確認してみてください。
そして、緊急地震速報の正規の音を、
事前に一度聞いておいてください。
その数分の準備が、
いざというときの数秒の差につながります。
SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
この記事が役に立ったと感じたら、
ぜひXでシェアしてください。





















「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション













