街の自販機は、実は「災害インフラ」だった。あなたの家の近くにも、きっとある。

防災豆知識
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こんにちは!SONAEAREBAです。

毎日、何気なく通り過ぎている自動販売機。


実は、その中に
「災害時、無料で飲み物を配る自販機」
が隠れていることを、知っていますか。


今日は、全国に眠る「見えない防災インフラ」——
災害対応自動販売機の正体を、詳しく解説します。


「災害対応自動販売機」とは何か


まず、この仕組みを正確に確認します。


「災害対応自動販売機(略:災害ベンダー)」とは、
地震などの災害が発生し停電になった場合に、
キー操作や専用ハンドルを回すことによって
自動販売機に必要な電力を供給し、
飲料製品を被災者などに無償提供する事が
できる自動販売機です。

出典:伊藤園「災害時の自動販売機について」
https://www.itoen.co.jp/company/vender/emergency/


普段は、普通の自動販売機と全く見分けがつきません。

でも災害発生時、決められた手順を踏むことで、
中の飲料がすべて無料で提供される——
そんな特殊な機能が、密かに備わっているのです。


すでに、全国に「6,000台以上」設置されている


「珍しいもの」だと思われるかもしれませんが、
実は非常に多くの台数が、すでに稼働しています。


コカ・コーラシステムでは、
本業を通じた社会貢献として災害時における
飲料提供協力などに関する自治体との協定をもとに
地域貢献型自動販売機の設置を積極的に進めており、
2011年12月末時点で全国に6,000台が設置されています。

出典:日本コカ・コーラ株式会社
「地域貢献型 自動販売機」
https://www.coca-cola.com/jp/ja/media-center/
line-up-vm#accordion-ca9c676b81-item-e463bd31cd


2011年時点ですでに6,000台——
コカ・コーラ1社だけでこの数字です。

伊藤園など他の飲料メーカーも同様の取り組みを
進めており、全国には自動販売機が391万台存在すると
言われています。


つまり、あなたの家の近く・通勤路・
お子さんの通学路にある自動販売機の中にも、
この「災害対応型」が紛れている
可能性が十分にあります。


どうやって無料になるのか——4つの仕組み


「無料になる」と聞くと不思議に思うかもしれません
が、その仕組みは非常にシンプルです。


飲料を停電時に無償提供(搬出)できる
主な仕組みは4タイプあります。
バッテリー式、乾電池式、ハンドル充電式、
ワイヤー式です。

出典:自動販売機JP「災害支援自動販売機」
https://jidohanbaiki.jp/business/saigai-shien/


それぞれの仕組みを見ていきます。


【バッテリー式】
無停電型蓄電池を搭載。商用電源の供給が止まると
自動的に内部の回路が切り替わり、蓄電池を使用。

【乾電池式】
専用の乾電池を使って最低限の電力を確保する方式。

【ハンドル充電式】
自動販売機の前面パネル内部に
手動発電機が設置されており、
非常時に鍵を開けてハンドルを回すことで、
商品を押し出すモーターを動かす。

【ワイヤー式】
自販機内にワイヤーを装備。停電時に鍵で扉を開け、
内部のワイヤーを引っ張ることで商品を取り出す、
最もシンプルな方式。

出典:八洋「災害対応自販機」、自動販売機JP
https://www.hachiyoh.co.jp/master/products/
disaster/index.html


災害発生時には管理者が専用キーを右に廻すと
自動で非常用電源に切り替わって無料販売状態となり、
商品選択ボタンを押すと商品が取り出せます。

(出典:八洋)


つまり、電気が完全に止まっていても、
飲み物を取り出せる設計になっているのです。


実際に、どう使われてきたのか——能登半島地震での実績


「本当に機能するのか」という疑問に、
実例で答えます。


2007年3月、石川県を襲った能登半島地震の際、
北陸コカ・コーラ ボトリング(株)が
輪島市役所庁舎内及び輪島市ふれあい健康センターに
設置した地域貢献型自動販売機2台が稼動しました。

ふれあいセンターでは3月25日の地震発生の数時間後から
30日までの6日間稼動して合計1,551本の飲料が、
また輪島市役所では26-27日の2日間で796本の飲料が
地域の被災者に対して無償で提供されました。

(出典:日本コカ・コーラ株式会社)


たった2台の自動販売機から、
6日間で合計2,347本の飲料が無償提供されました。

このシリーズが繰り返しお伝えしてきた
「断水×停電」という状況で、
水分補給の手段が限られる中、
これだけの量が届けられたという事実は、
とても大きな支援となりました。


水以外にも役立つ機能——「情報」と「充電」


災害対応自動販売機の役割は、
飲み物の提供だけではありません。


同社の災害時対応型自動販売機には、
自動販売機前面のパネル部分の内部に
手動の発電機が設置されている。

手動発電機は販売機のチャージだけではなく、
携帯電話等の充電などにも
幅広く使用することができる。

出典:内閣官房「国土強靱化 民間の取組事例」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka
/minkan_torikumi/3_3/0308.pdf


このシリーズで繰り返し紹介してきた
「モバイルバッテリー」の代わりとして、
自動販売機のハンドルを回して、
スマホを充電できる機種もあるということです。


さらに、通信インフラとしての機能も持つ
機種があります。


無停電型蓄電池を搭載している機種では、
停電時も自動でWi-Fiが作動する仕組となっており、
インターネットサービスの提供が途絶えない限り、
継続してインターネット接続が可能です。

地震などの災害発生時に、
通信ネットワーク技術を活用した遠隔操作によって、
自動販売機に搭載された電光掲示板に
災害情報を流したり、本体に残っている飲料を
無償で提供したりします。

(出典:内閣官房、日本コカ・コーラ株式会社)


飲料の提供、スマホの充電、そして無料Wi-Fi——
街角の自動販売機一台に、
これだけの防災機能が詰め込まれているのです。


見分け方——今日、確認してみてください


では、どうすれば「災害対応型」の自動販売機を
見分けられるのでしょうか。


多くは本体に
「災害対応」「災害救援ベンダー」
といった表示があるので、
ふだんの通り道にあるかどうか、
いちど確かめてみてください。

避難所の場所を覚えておくのと同じくらい、
地味に役に立つ知識です。

自動販売機の前面や側面に、
次のような表示がないか、今日確認してみてください。

・「災害対応」
・「災害救援ベンダー」
・「災害支援ベンダー」
・「Wi-Fi機能あり」のステッカー

このシリーズが繰り返し伝えてきた
「避難場所を事前に確認しておく」ことと、
全く同じ発想です。

「いざというとき、どこに行けば水が手に入るか」
を、平時のうちに知っておくことが、
命を守る一歩になります。


なぜ、飲料メーカーはこの取り組みを続けているのか


最後に、この仕組みが
「なぜ」続けられているのかを確認します。


自動販売機の設置者は、
同サービスの使用に対してイニシャルコストや
ランニングコストを負担する必要はなく、
強靱化に貢献することが可能です。

出典:内閣官房「国土強靱化 民間の取組事例」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_
kyoujinka/h30_minkan/pdf/14.pdf


自動販売機の設置者(お店や施設)に
追加負担がかからない形で、
社会貢献ができる仕組みが作られています。

「本業を通じた社会貢献」——
これは、このシリーズが大切にしてきた
「フェーズフリー」の考え方そのものです。

特別な準備をしなくても、普段の生活インフラが、
いざというとき防災の力を発揮する。


今日、私たちができること


① 自宅・職場・通学路の自動販売機を、今日チェックする


「災害対応」の表示があるか、
一度確認してみてください。

見つけたら、その場所を覚えておくだけで、
立派な備えになります。


② 家族と「災害時の水の確保先」として共有する


このシリーズで繰り返し伝えてきた水の備蓄と
合わせて、「近所にある災害対応自販機の場所」も、
家族との会話に加えてみてください。



③ 「使い方」を覚えておく


多くの機種は、管理者や施設スタッフが
鍵を使って切り替える仕組みです。

個人で勝手に操作するものではありませんが、
「そういう仕組みがある」と知っておくだけで、
災害時の心の余裕が変わります。


SONAEAREBAからのメッセージ


毎日、何気なく通り過ぎている自動販売機。

その中に、「災害時、無料で飲み物を配る仕組み」が、
実は数多く隠れています。


全国に6,000台以上。
バッテリー式、乾電池式、
ハンドル充電式、ワイヤー式——
4つの方式で、停電時でも稼働します。

能登半島地震では、たった2台から、
6日間で2,000本以上の飲料が無償提供されました。


このシリーズが繰り返し伝えてきた
「フェーズフリー」の考え方を、これほど身近に
体現しているものは、他にないかもしれません。


今日、あなたの近所の自動販売機を、
一度見てみてください。

「災害対応」というステッカーが、
きっとどこかにあります。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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