「過去100年でも例はない」——青森・岩手沖でM7クラスが頻発する今、三陸はるか沖地震級の発生確率「30年以内に90%」の現実。

自然災害を考える
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こんにちは!SONAEAREBAです。

2025年12月から2026年6月にかけて、
青森県から岩手県北部の沖合で
何が起きているか、整理してみます。


2025年11月9日:三陸沖 M6.9
2025年12月8日:青森県東方沖 M7.5
→後発地震注意情報(1回目)
2026年4月20日:三陸沖 M7.7
→後発地震注意情報(2回目)
2026年6月25日:岩手県沖 M6.9(M7.2)
・青森県で震度6強

8ヶ月間で、M7クラスが3回。

政府の地震調査委員会は、
青森沖から三陸沖にかけては
全体的に地震活動が活発化している
と評価しています。


そして今日、このシリーズでお伝えしてきた
「切迫度が高まっている海域」に関して、
改めて専門家の見解を整理する必要があります。


「過去100年でも例はない」——何が起きているのか


この地域の地震活動について、
専門家が使った表現があります。


青森県から岩手県沖にかけた範囲で、
これほど短期間にM7クラスが頻発するのは
「過去100年でも例がない」という評価です。


その背景を理解するために、
この海域の地震の歴史を振り返ります。


1968年「十勝沖地震」(M7.9)


この海域の北部—青森県東方沖—
では1968年にM7.9の十勝沖地震が発生しています。
死者52人を出した大地震でした。

出典:JIJI.com
東北大災害科学国際研究所 富田史章助教の解析
https://www.jiji.com/jc/articlek
=2025121100729&g=soc


1994年「三陸はるか沖地震」(M7.6)


北部の十勝沖地震の震源域内の南部—岩手県沖北部—
では1994年にM7.6の三陸はるか沖地震が発生。
死者3人。そしてそれから約31年間、
M7級の地震が起きていませんでした。


31年間の沈黙

この「静かな期間」の間にも、
太平洋プレートは年間9cmのペースで
日本の下に潜り込み続けていました。

31年間で約280cmのひずみが蓄積していた
計算になります。


2025年12月〜2026年6月——一気に動き出した


その31年間の沈黙が、今まさに破られています。


東北大災害科学国際研究所の富田史章助教は、
過去の大地震の発生状況から、今回の震源の南方、
岩手県沖北部でM7〜8級の地震が続発する恐れがあり、
後発地震注意情報の発表期間を過ぎても
日ごろの備えが必要との見方を示しました。


「M7〜8級の地震が続発する恐れ」
—この表現は、今の状況が
「一つの大きな地震で終わり」
ではないことを示しています。


「30年以内に90%以上」——この数字の意味


ここで、政府の地震調査研究推進本部が
公表している長期評価を確認します。


地震調査委員会が公表した
日本海溝沿いの地震活動の長期評価によると、
「青森県東方沖及び岩手県沖北部」
発生確率は90%程度以上と評価されていました。


30年以内に90%以上。

南海トラフ地震の「70〜80%」を上回る確率です。


しかしここで重要な事実があります。

この「90%」という評価は、
M7〜M7.5程度のひとまわり小さいプレート間
地震についての評価です。

2025年12月のM7.5、2026年4月のM7.7は、
まさにこの「想定されていた地震」
実際に発生したものです。


では「想定されていた地震が起きた」のだから、
もう終わりなのでしょうか。


いいえ。そうではありません。


なぜ「終わっていない」のか——「割れ残り」の問題


このシリーズで繰り返しお伝えしてきた
「割れ残り」の概念が、ここで重要になります。


政府の地震調査委員会は、
今回の岩手県沖地震について、
1994年の三陸はるか沖地震の震源域の西端付近に
当たるとの評価をまとめました。

この付近では1995年1月7日に最大規模の余震(M7.2)
が発生しており、今回の岩手県沖地震の震源と
ほぼ同じ場所でした。


1994年の三陸はるか沖地震の「本体」の震源域
—その中心部—はまだ動いていません。

2025年12月のM7.5も、2026年4月のM7.7も、
2026年6月のM6.9も、いずれも
「三陸はるか沖地震の震源域」「端」「隣接」
した場所での地震です。


地震調査委員会の小原一成委員長が
「切迫度は徐々に高まっている」と述べたのは、
この「割れ残り」の部分を指してのことです。


筑波大の八木勇治教授はこう言いました。

「M8に近い地震がいつ起きてもおかしくない状況だ。
巨大地震の発生を前提に対策を立てておくことが重要だ」


この海域で「M8以上」が起きた歴史


「M8クラス」という数字が
現実味を持って迫ってきます。

この海域でのM8以上の地震の歴史を確認しておきます。


869年   貞観地震(M8.3〜8.6)→大津波
1611年  慶長三陸地震(M8.1)→大津波
1896年  明治三陸地震(M8.2〜8.5)→死者22,000人
1933年  昭和三陸地震(M8.1)→死者3,064人
2011年  東日本大震災(M9.0)→死者・行方不明者
22,000人

この海域は、
繰り返しM8以上の地震を起こしてきた場所です。

そして今、その海域で「過去100年でも例がない」ほど
M7クラスの地震が頻発しています。


今の状況を3行でまとめると


このシリーズで積み上げてきた情報を整理します。

①「三陸はるか沖地震(1994年)」
 の割れ残りにひずみが蓄積
②スロースリップが加速し、地震調査委が
 「切迫度上昇」を認定
③「過去100年でも例がない」
 頻度でM7クラスが続いている

これは「地震が増えた気がする」ではなく、
科学的なデータに基づいた「具体的な警告」です。


「90%の地震」が来たとき、津波はどう来るか


この海域で大きな地震が起きた場合、
最大の脅威は「津波」です。


東北大の解析によると、
今回のM6.9でも岩手県久慈港で津波が観測されました。

越村俊一教授は
「今後の津波の際も遅れて来る最大波に注意が必要だ」
と指摘しています。


M7〜M8クラスの地震が発生した場合、
津波の高さは東日本大震災(M9.0)より小さいものの、
1896年の明治三陸地震のような
「揺れは小さいのに大きな津波」という
「津波地震」のパターンも想定されます。


このシリーズで6月15日(明治三陸地震130周年)
にお伝えした通り、
「揺れが小さいと感じても、
沿岸部ではすぐに高台へ逃げる」
が鉄則です。


今すぐやるべきこと


① ハザードマップで津波リスクを今日確認する


東北・太平洋沿岸にお住まいの方は、
今日改めて確認してください。


国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/


② 「揺れを感じたら速報を待たず高台へ」を体に染み込ませる


この海域の地震は緊急地震速報が
間に合わないケースがあります。

「揺れを感じた瞬間」が行動の引き金です。
速報を待ってはいけません。


③ 在宅避難の備えを今週点検する


この機会に、
まだ揃えていないものを確認してください。


・水7日分(夏は1人1日5L)以上ありますか?

・携帯トイレ家族分×35回分ありますか?

・ポータブル電源・ランタン・ラジオ
 は揃っていますか?


在宅避難シリーズ総まとめ⇩


④ 過去のSONAEAREBA記事でシリーズ全体を振り返る


このシリーズでは4月20日から今日まで、
三陸沖の動きを追い続けてきました。


「地震調査委が警告。切迫度が高まっている」(6月)

「三陸沖でスロースリップが加速」(5月)

「三陸はるか沖地震の再来」(4月)


SONAEAREBAからのメッセージ


「過去100年でも例はない」
——この言葉の重さを受け止めてください。


2025年12月から今年6月まで、
わずか8ヶ月間で青森・岩手沖のM7クラスが3回。

「三陸はるか沖地震(1994年)の割れ残り」
のひずみは今も蓄積中。

地震調査委員会は「切迫度が高まっている」と明言。

そして専門家は
「M8に近い地震がいつ起きてもおかしくない」と警告。


これは「怖い話」ではありません。

データと科学に基づいた、現実の評価です。


「備えていた人」「備えていなかった人」
の差が出る局面が、いつ来るかわかりません。

でも「いつ来ても大丈夫」な状態を、
今日から作れます。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

東北・太平洋沿岸にお住まいの家族・友人に、
今すぐシェアしてください。



「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション