「切迫度は徐々に高まっている」。地震調査委が示した、1994年以降「静かだった海域」への警告。

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こんにちは!SONAEAREBAです。

6月25日の青森・岩手M6.9・震度6強。

その翌日の6月26日、
政府の地震調査委員会が臨時会合を開きました。


政府の地震調査委員会は26日までに、
岩手県沖を震源とする最大震度6強(M7.2)について
臨時会合を開き、1994年12月28日に起きた
「三陸はるか沖地震」(M7.6)の震源域の
西端付近に当たるとの評価をまとめました。

出典:時事ドットコム
「94年の『三陸はるか沖地震』最大余震付近で発生
岩手県沖地震―政府調査委」
https://www.jiji.com/jc/
article?k=2026062600384&g=soc


そして、小原一成委員長(東京大名誉教授)が
記者会見で述べた言葉が、今日のテーマの核心です。


「三陸はるか沖地震の震源域では
これまで地震活動がそれほど活発でなかった」
と指摘。

次の大きな地震がいつ起きるか分からないが、
「切迫度は徐々に高まっているのではないかと
 考えている」
と話しました。


「切迫度は徐々に高まっている」。

国の機関のトップが、
公式の記者会見でこの言葉を使いました。

今日は、この言葉が何を意味するのかを
丁寧に解説します。


「三陸はるか沖地震」とは何だったのか


まず「三陸はるか沖地震」の記憶を振り返ります。


三陸はるか沖地震は、
1994年(平成6年)12月28日21時19分に、
日本の三陸沖(青森県八戸市の東方沖約180km)
で発生したM7.6の地震です。

最大震度は八戸市で観測された震度6。
揺れによって八戸市を中心に死者3人・負傷者788人
の人的被害、全壊72棟・半壊429棟などの
物的被害が生じました。

出典:Wikipedia「三陸はるか沖地震」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%
99%B8%E3%81%AF%E3%82%8B%E3%81%8B%
E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87


今から32年前のこと。

M7.6という大きな地震でした。

そしてそれ以降、この震源域では——


この付近では95年1月7日に
最大規模の余震(M7.2)が発生しており、
今回の岩手県沖地震の震源とほぼ同じ所でした。


1995年の余震(M7.2)以来、この震源域では
大きな地震活動が続いていませんでした。

つまり、1994〜1995年の地震以降、
約30年間「静かだった海域」で、
今回の地震が起きたということです。


なぜ「静かな海域」が危険なのか——「地震空白域」という概念


ここで、防災の世界で重要な概念をお伝えします。

「地震空白域」です。


地震空白域とは、過去に大きな地震が起きていたにも
かかわらず、その後しばらく大きな地震が起きていない
領域のことです。

ひずみ(エネルギー)が蓄積し続けているにも
かかわらず、解放されていない状態——
これが「次の大地震の候補地」となりやすい
とされています。


震源となる海域では、
日本列島が乗る北アメリカプレートに太平洋プレートが
相対速度約9cm/年の速度で沈み込んでおり、
これらのプレートの境界で生まれる歪みが解消される
ときに地震が発生します。

この海域では固有地震以外にも10年程度の間隔で
プレート間地震が起こります。


年間9cmのスピードで、
太平洋プレートが日本の下に沈み込み続けています。

1994年から30年以上——
約270cmのひずみが蓄積している計算になります。

「10年程度の間隔でプレート間地震が起こる」海域で、
30年以上大きな地震がない。

これが「切迫度は徐々に高まっている」という
評価の根拠です。


今回の地震の位置——「割れ残り」の視点で考える


このシリーズで以前解説した「割れ残り」という
概念をここで使います。


今回の三陸沖地震(2026年4月20日M7.7)の活動は、
十勝沖地震(1968年、M7.9)の震源域南端付近、
三陸はるか沖地震(1994年、M7.6)の震源域の
南側に隣接する領域で発生しました。

出典:Wikipedia「三陸沖地震(2026年)」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%99%
B8%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87_
(2026%E5%B9%B4)


図で整理すると、こうなります。

北側:十勝沖地震(1968年・M7.9)の震源域
   ↓
中間:三陸はるか沖地震(1994年・M7.6)の震源域
   ↓(ここが「1994年以降、活発な地震活動がない領域」)
南側:2026年4月20日三陸沖M7.7の震源域

今回の6月25日の地震(M6.9)は、
三陸はるか沖地震の震源域の西端付近で発生しました。

つまり4月のM7.7が南側で起き、
6月の地震が1994年の震源域の端で起きた
——その中間の「まだ割れていない部分」が、
地震調査委員会が警戒している領域です。


「30年以内に高い確率」——すでに予測されていた地震だった


重要なことをお伝えします。

今回の一連の地震活動は、
実は「予測されていた範囲内」のものです。


地震調査委員会が公表した
日本海溝沿いの地震活動の長期評価によると、
今回の地震は長期評価により想定されていた
「青森県東方沖及び岩手県沖北部」
および「岩手県沖南部」において発生したひとまわり
小さいプレート間地震(M7.0〜M7.5程度)です。

想定時点で、30年以内の発生確率は
両領域とも26%以上の「Ⅲランク」であり、
海溝型地震の中では地震発生確率が
最も高いとされるランクです。

特に、「青森県東方沖及び岩手県沖北部」
発生確率は90%程度以上と評価されていました。


「90%以上の確率で30年以内に起きる」
と評価されていた海域で、実際に地震が起きた。

これは「想定外」ではなく「想定通り」だったのです。


そして地震調査委員会が今、
「切迫度は徐々に高まっている」と指摘しているのは、
この「90%以上の海域」のさらに隣——
1994年の三陸はるか沖地震の震源域そのものです。


「スロースリップの加速」という追加のシグナル


このシリーズで5月に詳しく解説した
「スロースリップ」の話と、
今回の地震調査委の発表はつながっています。


2026年5月14日、地震調査委員会はこの地震により、
スロースリップ(ゆっくりすべり)の加速が見られ、
大きな地震に繋がる恐れがあると発表しました。


4月のM7.7→スロースリップ加速
→5月の専門家警告→6月の青森震度6強
→地震調査委「切迫度が高まっている」。

この流れは、このシリーズで追いかけてきた
一本の線とつながっています。


「大きな地震が起きる可能性も否定できない」の正確な意味


今回の地震調査委の発表で
「大きな地震が起きる可能性も否定できない」
という言葉が使われています。

これを正確に理解することが重要です。


「可能性が否定できない」
必ず起きる」ではありません。

一方で「今すぐ心配しなくていい」でもありません


「切迫度は徐々に高まっている」
という評価と合わせると——

「いつかは分からないが、
以前よりリスクが上がっている状態が続いている」

という認識が正確です。


地震調査委員会もこの点を公式に認めています。

スロースリップの加速が確認されてから、
東日本大震災前にも同現象があったとして
「大規模地震の発生可能性が平常時と比べて
相対的に高まっていると考えられる」

と継続的に注意を呼びかけています。

出典:yahooニュース
震源周辺では今年4月以降スロースリップが加速
速度変化が大地震につながる可能性も 地震調査委員会
https://news.yahoo.co.jp/articles/
c4ad2f4f0246ed821e9b9d3f5ba04193603d6435


SONAEAREBAがこれまで伝えてきたこととのつながり


今日のテーマは、このシリーズで積み上げてきた
内容とすべてつながっています。


4月:三陸沖M7.7・後発地震注意情報
 ↓
5月:「スロースリップ加速」発表
 ↓
5月:「内陸の浅い地震8割が余震」研究発表
 ↓
5月:「臨界度」新指標発表(九州大学)
 ↓
6月:青森・岩手M6.9・震度6強
 ↓
6月:地震調査委「切迫度が徐々に高まっている」

これらはバラバラな事件ではなく、
同じプレートの動きが生み出している、一連の流れです。


今すぐやるべきこと


「切迫度が高まっている」という
地震調査委の言葉を聞いても、
私たちが今できることは変わりません。

そしてそれは、
このシリーズで繰り返しお伝えしてきたことと同じです。


① ハザードマップで津波リスクを確認する


三陸沖の海溝型地震は、大きな津波を伴います。

沿岸部・河川沿いにお住まいの方は、
今日必ず確認してください。


国土交通省 ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/


② 在宅避難の備えを今日点検する


「切迫度が高まっている」今だからこそ、
備えを確認してください。


・水7日分以上ありますか?

・携帯トイレ家族分×35回分ありますか?

・ポータブル電源・ランタン・ラジオは
 揃っていますか?


👉 在宅避難シリーズ総まとめ


③ 「津波地震」のリスクを理解する


このシリーズで6月15日(明治三陸地震130周年)
にお伝えした通り、この海域の地震は
「揺れが小さくても大きな津波が来る」
津波地震のリスクがあります。

「揺れが小さい」と感じても、沿岸部にいる場合は
即座に高台へ逃げる習慣をつけてください。


④ 公式情報を継続的に確認する


地震調査研究推進本部「地震活動の評価」
https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismicity_annual/

気象庁「北海道・三陸沖後発地震注意情報」
https://www.jma.go.jp/bosai/nceq/


SONAEAREBAからのメッセージ


「切迫度は徐々に高まっている」
——地震調査委員長の言葉です。


「いつ起きるかは分からない」と言っています。

「必ず起きる」とも言っていません。

でも「切迫度が高まっている」とは、
明確に言っています。


このシリーズでは4月20日のM7.7から今日まで、
三陸沖の動きを追い続けてきました。

スロースリップの加速。余震の継続。
今回の青森震度6強と地震調査委の警告。


どれも単独で見ると
「また地震か」という印象かもしれません。

でも、このシリーズを通じて一本の線として見ると、
東北地方の太平洋沖のプレート境界が今、
活発に動いているという事実が見えてきます。


「切迫度が高まっている」
今こそ、備えを確認してください。

ハザードマップの確認。在宅避難の備えの点検。

それだけです。


SONAEAREBAはこれからも
「知る防災」を発信し続けます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

東北・沿岸部にお住まいの家族・友人に、
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「空間にマスクする感覚」地方自治体避難所開設用パーテーション